個別株投資をするなら金融商品の理解、そして損切りが必須

 運用会社での勤務経験もあり、米国株、米国ETFに詳しく、企業分析力もあるたりたり社長さんでさえ、初心者時代、原油ETFで大負けした経験があります。ETFに限らず、原油関連商品は、他のコモディティや地政学的リスクが原因で、ある時突然、予想もつかない動きを見せることがあるため、初心者向きとはいいがたいジャンルです。

「なのに、当初、価格変動の仕組みがよく分からない状態で原油ETFに挑戦し、大きく下落したタイミングですべてのポジションを解約しました。金融商品に投資をする際は、必ず、その金融商品の仕組みや背景について、最低限、理解する必要があることを痛感しました」

 今でもたりたり社長さんはETF投資がメイン。その理由は、セクターETFを購入する際、そのセクターの研究もかねているから。「購入したセクターETFの価格を追ううち、どんどんそのセクターに詳しくなります。その知識は個別株を購入する際の強い武器になります」

 一度は泣いたたりたり社長さんですが、「初心者のうちは失敗も貴重な経験。少額資金なら、損しても金銭的には大きな痛手を負わない中、感情だけが大きく揺れ動くので、ある意味、コストパフォーマンスのいい経験を積むことができます」と、初心者ならではの、少額投資の重要性を語ります。

保有銘柄を増やし過ぎて手が回らず。泣く泣く損切りへ

 2018年9月に米国株投資を始めたもみあげさん。米国株も当初は景気も上向きで、多くの銘柄を購入し、それぞれの上昇具合を確認してはニコニコする、という楽しい毎日を送っていましたが、3ヵ月目に株価急落に見舞われました。

「個別銘柄の株価が下落していくのを見て、頭の中が真っ白に。怖くなり、慌ててたくさんの銘柄を損切りしてしまいました」。

 もみあげさんの敗因の一つは「多くの銘柄に手を出し過ぎたこと」

 初心者のうちから多数の銘柄を保有すると、それぞれの値動きに振り回されて判断が鈍ります。ただ、「損失が拡大したら、いつか戻ると考えるより、スパっと損切りすべき」というポリシーだったもみあげさんは、思い切りよく含み損を損切りし、メンタルもポートフォリオも、すぐに立て直しに成功しました。