仕事中に市場急変!打つ手なしで心がすり減った

 元証券ウーマンのさぶさんの場合、FX(外国為替証拠金取引)や個別株取引で失敗。

「もともとの資金が少なかったため、少額資金でもレバレッジをかけて大きな取引ができるFXの取引を始めました。しかし、急に相場が急変するようなニュースが仕事中に発生してしまい、こつこつ積み上げた利益80万円くらいが一瞬で吹っ飛びました。個別株投資でもTwitterの情報をもとに売買をして、ものすごい額の損切りをしたこともあります」。

 仕事中だったため、何の手も打てず、ただ大事な資金が解けるのを見ているしかなかったさぶさん。そこで学んだのは「仕事で忙しい人に短期売買は向かない」ということだといいます。さぶさんが常日頃、自分に言い聞かせているのは「投資で大切なことは、“心”をすり減らさないこと」。いくら利益を得たとしても、毎日の相場が気になって、本来生きていくために必要な仕事や家庭をおろそかにするのは本末転倒なのです。

知識ナシで成功者のマネをしたら大失敗!

 さまざまな金融商品を試してきたタクスズキさんも、初心者時代、AI関連株やFXで痛い目に合っています。AIに関する知識もなく、急騰しているから手を出しただけ。FXに至っては、成功したトレーダーの本を読んで、その手法をマネして失敗。

「急騰しているから、当たると大きいから、という理由で、よく知らない金融商品を買ってはいけない。分からないままに人のまねをしても成功しない、ということが身に染みました」初心者時代に大切なことは「失敗を通じてしっかり投資や金融商品の勉強をし、自分がどんな投資に向いているかを自己分析すること」だと語ります。

 ここまで3人の失敗は、みな個別株やFXなどの短期売買が原因です。短期売買は少額資金を大きく増やすチャンスもある投資法ですが、資金力も必要ですし、日常生活に負担がかかります。貯金とは違い、株でも為替でも投資の対象となる金融商品は日々、大きく値動きするので、仕事が忙しい人や、心理的なストレスに弱い人は、「簡単にお金持ちになれるような近道はない」(さぶさん)と割り切って、長期投資一本で投資を始めたほうがいいかもしれません。