有事がなくても、金は魅力的な長期を前提とした投資先

 以前に見た映画で印象に残っているセリフがあります。“極限状態で始まった恋は長続きしない”というものです。

 極度の非日常的なムードの中では、人は盲目的になり、物事を冷静に判断できなくなることがあることを示す言葉で、長期的な関係を維持することを望むのであれば、できれば、始まりは極限状態でない方がよい、と言い換えることができます。

 さらに、金の長期投資に関連付ければ、金の長期投資をはじめるきっかけは、できることなら有事でない方がよい、と言い換えられます(有事で金価格が変動する場合、短期間で大きな変動となる場合があることから、金の短期投資については、きっかけが有事である場合は当然あると思います)。

 長期投資は、場合によっては数十年先を見据えて行うケースがありますが、仮にその長期投資を、有事をきっかけに始めた場合、その有事が数十年間継続することを、あるいは、断続的に何かの有事が発生し続けることを見込む(期待する)のでしょうか?

 現代社会は、確かに問題は多いですが、多方面での技術革新によって、過去の有事発生時の教訓が有効活用され、有事が与える市場へのショックは軽減されてきていると思います。

 そして、金融や保険、交通、特に情報技術の発達は、私たち個人にも多数の選択肢を与えてくれています。私たちが持っているリスク発生時の選択肢は、1970年代と異なり、格段に増えているわけです。

 このため、私たちは、「有事が発生したから金買いだ」という1970年代に作られた単純な方程式を、現在の金相場に合った数式に書き換える必要があります。先述のとおり、有事発生でも、発生場所によっては対岸の火事とみなされ、金価格が上昇しないケースもあるわけです。

 筆者がここで申し上げたいことは、“有事がなくても、金は長期を前提とした魅力的な投資先だ”ということです。

 今後、長期的に金相場と対峙することを考えた場合、金相場の“クジラ”候補としたインドと中国の宝飾需要と中央銀行の金保有という、すぐに売らない(むしろ特に中央銀行の保有高については今後さらに増加する可能性がある)、有事以外の、中長期的な価格変動に関わる変動要因に目を向けるべきだと思います。

 有事をきっかけとした“極限状態”や“怖れ”は、思考を盲目的にします。リスクの当事国となった日本に居て盲目的になりやすい状況だからこそ、金相場を見る上で、材料を俯瞰し、できるだけ遠い時間軸の、規模の大きい材料を、冷静に考えることが重要だと思います。

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