投資ヒストリー&投資哲学を教えて!

過去最大の失敗談は?

1銘柄に全力で集中投資、まぐれに浮かれてリスク管理がおろそかに…

 投資初心者時代の失敗は、現在のような均等分散投資ではなく、たった1銘柄に集中投資してしまったことで、その銘柄の株価動向に資産全体が大きく影響を受けるなど、投機的な資産運用をしてしまったことです。

 インド株の投資信託を購入して、たった1カ月で20%くらい基準価額が上昇して浮かれていましたが、その成功は完全なまぐれでした。

 投機的な投資やまぐれに過ぎない成功に浮かれてしまいやすいのが初心者にありがちな失敗だと思います。

過去最大の成功談は?

人気低迷期に買ったウォルマート、忍耐保有で大勝利!

 私が投資対象を米国株に切り替えるきっかけになったのは、米国スーパーマーケットの王者・ウォルマートへの投資でした。

 初めて購入したのは2015年末頃だったのですが、当時はネット通販のアマゾンの躍進を受けて、ウォルマートなど小売株が軒並み暴落するなど、株価が最悪な状況でした。

 ウォルマートの株価も60ドル程度まで下がっていましたが、本業のもうけを表す営業キャッシュフローは安定して黒字を達成していました。そこで勇気をもって積極的に買い増したことが大成功につながりました。その後の業績回復にともない株価も大きく上昇して、現在は120ドル前後で取引されています。

 本家本元のウォーレン・バフェット氏同様に、優良株が誰からも見向きもされないようなタイミングで買い、忍耐強く持ち続ければ、配当だけでなく大きな値上がり益も期待できるということをウォルマート株投資で学びました。

 エクソン・モービルやIBM、アルトリア・グループなど不人気で株価が下落傾向にある優良株に投資し続けているのも、ウォルマートで得た投資の成功原則にのっとったものです。

これまでの投資で買ったお宝は?

 バフェット太郎10種すべて。投資で得た配当はすべて再投資しているので今、保有している「バフェット太郎10種」=投資で買った最も大切なお買い物です(笑)。

失敗や成功を通じて学んだこと・投資哲学は?

 現在、米国の連続増配高配当株10社に均等分散投資していますが、この手法は過去の失敗を踏まえて確立しました。たとえば、1銘柄への集中投資はあまりにもリスクが大きい。その反面、分散投資する銘柄数が多すぎると、1つの株が大きく上昇しても資産全体を大きく増やすことができません。10銘柄ぐらいがちょうどいい、というのが私の実感です。特定の銘柄に集中投資しないように10銘柄に均等分散を心がけています。

 また、投資で難しいのは「いつ買うか」というタイミングだと思いますが、そこに正解はないと思います。その点、私が「バフェット太郎10種」に採用している銘柄は、昔も今も、そしてこれからもずっと優良株なので、「いつ買うか」という売買のタイミングを考える必要がありません。

 本業でしっかりキャッシュフローを稼いでいる超優良株のみに投資対象を限定しているからこそ、安心してバイ&ホールドし続けられるのも、私の投資手法のメリットだと思います。

 加えて、バイ&ホールドしやすいように、配当利回りの高い銘柄を保有することで、配当が弱気相場のなぐさめとなり、忍耐強く保有し続けられるように工夫しています。