「コト消費」拡大で恩恵を受けるJR4社

 JR4社は、前前期(2018年3月期)に、そろって経常最高益を更新。新幹線や不動産、観光関連事業の伸びが貢献しました。ところが、前期(2019年3月期)は、JR九州が▲0.8%の経常減益となりました。地震や豪雨の影響が出ました。JR九州は今期(2020年3月期)も減益が続く見通しですが、九州新幹線や観光事業・不動産事業を伸ばしていくことで、いずれ最高益を更新していく力があると判断しています。他の3社も、短期的に減益することがあっても、長期的には最高益の更新が続くと考えています。

 新幹線収入の拡大によって、JR東海、東日本、西日本は、安定的に最高益を更新してきました。新幹線は、かつてビジネス客中心の乗り物でしたが、今や「国民の足」として、利用が拡大してきました。そこに、外国人観光客の利用拡大がさらに追い風となっています。グリーン席の利用率増加も、収益拡大に寄与しています。

 JR九州が導入で先行した豪華寝台列車(クルーズトレイン)「ななつ星」の旅は、予約倍率が10倍前後で、好調です。動くホテルのような快適さが受けています。JR九州の成功を見て、JR西日本・JR東日本も豪華寝台列車の旅を導入しましたが、いずれも好評です。

「モノ消費」では化粧品の成長が続くと期待

 日本の化粧品が、アジアで好調です。グローバル・ブランドとして成長を始めました。化粧品は、インバウンド需要拡大の恩恵をフルに受けています。日本で買った後、帰国してからも、越境ECで、リピート需要も入ります。資生堂、コーセーなどが、その恩恵を受けています。

 

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