2015年にインバウンド・バブル、16年にバブル崩壊があった

 一口にインバウンド・ブームと言っても、2015年以前と16年以降では内容が異なります。

2015年のインバウンド・バブル

 中国人観光客の爆買いにけん引されて、インバウンド消費が急激に拡大し「インバウンド・バブル」が生じました。高額商品を売る銀座の百貨店などが、大きな恩恵を受けました。中国人観光客の爆買いには、実質「個人輸入」とみられる買い物が含まれていました。たとえば、1人で高級炊飯ジャーをまとめて10個買うような観光客がいました。それは、中国に持ち帰って転売して利益を得ることが目的であったと考えられます。

2016年のインバウンド・バブル崩壊と、17年以降のブーム復活

 中国政府は、海外で購入した商品を中国に持ち込む際にかかる関税を2016年4月に大幅に引き上げました。その後、中国人による日本での爆買いは鳴りを潜めました。そのため、2016年は「インバウンド・バブル崩壊」の年となりました。ただし、その後も訪日外国人の数は増え続け、17年以降、インバウンド・ブームが復活。そこでは、自分のための買い物が増えました。

 日本製品の安全性への信頼が高いことから、化粧品・食料品・医薬品など自分の体に取り込むものがよく売れるようになりました。また、日本での体験にも、お金をかけるようになりました。「コト消費」といわれるものです。その恩恵を受ける銘柄の業績が好調です。