イベント通過の安堵感で谷から抜け出るか

 今週の日米株式市場では、大方の予想通りで終わった米中間選挙に安堵した買い戻しが先行する動きとなりました。

 NYダウ平均は最高値(10月3日)よりの下落幅の3分の2以上を戻し、S&P500指数やナスダック100指数は半値以上戻しました(11月7日)。

 米国市場のリスクオン(選好)回復を受け、東京市場でも海外勢を中心とする先物買い戻しが先行。日経平均株価は年初来高値(10月2日)よりの下落幅の約43%を戻しました(11月8日)。

 参考までに「今年の相場と似ている」と注目される2014年と比較した相場推移を図表1に示しました。

 2014年も米中間選挙が実施され、与党(当時はオバマ民主党)が劣勢となりました。選挙に向けた不透明感などでNYダウは10月に急落しましたが、選挙直前から反転上昇し、年末高を示現。当時も10月に急落した日経平均は、ドル/円の上昇(円安)を追い風にして年末高に向かいました。

 もちろん、今年が2014年の「写真相場」となる保証はありません。ただ、2014年に日経平均が年末高に向かうカタリスト(契機)となった日銀の金融緩和・ハロウイーン緩和の役割を、今年は「米中貿易戦争の停戦」に期待したいと思います。トランプ米大統領が11月1日に中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席に電話をし、11月末にアルゼンチンで開催されるG20(主要国首脳会議)での米中首脳会談と貿易交渉で合意したとされるからです。

図表1:いよいよ似てきた?2014年と2018年の日米株式相場

注:上記グラフは参考情報であり、ダウ平均の年末高傾向を保証するものではない
出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(11月7日)
注:上記グラフは参考情報であり、日経平均の年末高傾向を保証するものではない
出所:Bloombergのデータより楽天証券経済研究所作成(11月8日)