2.そもそもまとまった高額入金を投資デビューの理由とする必要がない

 ボーナス投資デビューのもう一つの注意点は「いきなり高額投資」になってしまうことです。毎月、つみたてNISAで給与の一部を振り向けた投資デビューの場合、月額数万円程度に収まります。iDeCoで投資デビューの場合も限度額の関係で月何万円も積み上げられません。しかしボーナス投資デビューの場合、「10万円からスタート」とか「30万円入れてみよう」のようにケタが大きくなります。そもそも投資デビューに金額要件はありません。投資信託であれば100円で国際分散投資も可能ですし、100円なら素人の判断ミスで大失敗してもまったく問題ない損失額になります。

しかし30万円を単一銘柄に振り向けて、大幅下落の対象となった場合、1カ月で9万円(30%下落の場合)の含み損になります。初心者ほど、自分の銘柄選定基準を高く評価しますが、実際にはそんなことはありません。裏目に出たときはより厳しい結果になってしまいます。

3.ボーナス入金とあなたの投資知識・経験にも関係はない

「ボーナスで投資デビュー」に価値があるとしたら、あなたの投資意欲を刺激する、という一点にあります。しかし、あなたの投資知識や投資経験が十分であるかにはまったく関係がありません。あなたがすでに何年か投資関連書籍を読みあさって、いつでも投資デビューできる段階であればこれは「まずは経験」とGOサインを押してもいいのですが、あなたがただボーナス支給時期であるから投資デビューというならやはりオススメできません。知識が追いついていないのにあわてて投資デビューしたがる人は、たいてい目の前の相場に踊らされています。これは要注意です。

投資については実経験によって得られる学びや気づきも多いので、デビューはより早く設定したいのですが、知識不足である人のデビューが歓迎されるわけではありません。