株式投資で利回りを稼ぐ

 株式投資というと、「値上がり益狙い」と思い込んでいる人が多いですが、少し発想を転換していただきたいと思います。今の日本株には、安定的に高い配当利回りが期待できる銘柄が増えているからです。

<東証の平均配当利回りと長期金利(10年国債利回り)推移:1993年5月~2024年8月(20日)>

出所:QUICK、ブルームバーグより楽天証券経済研究所が作成、2022年3月までは東証一部平均、2022年4月以降は東証プライム平均

 昔の日本株は、確かに、配当ではなく、値上がりを狙って買うものでした。1993年ごろ、東証一部の平均配当利回りは1%もありませんでした。当時、長期金利(新発10年国債利回り)が5%近くあったことを考えると、株の利回りは低すぎて、話になりませんでした。

 ところが、その後、長期金利が下がり続ける中で、日本株の利回りは上昇し続けました。日本企業が株主への利益配分を増やすようになりました。

 今、長期国債の利回りは低すぎて、国債に投資する魅力は乏しくなりました。そこで注目されるのが、日本株の予想配当利回りの高さです。配当利回りから日本株を見直していい時代に入ってきました。

 東証プライムの平均配当利回りは8月20日時点で約2.3%です。ただし、個別銘柄で見ると、日本を代表する大型株で配当利回り3%以上の銘柄が多数あります。大型高配当利回り株から投資していったらよいと思います。

 ただし、一つ注意が必要です。株の配当利回りは、確定利回りではありません。業績が悪化して減配になれば、利回りが低下します。株価が大きく下がる可能性もあります。銘柄選択にあたっては、単に予想配当利回りが高い銘柄を選ぶのではなく、長期的に保有して減配になりにくい銘柄を選ぶことが大切です。

予想配当利回りの高すぎる銘柄は要注意:減配リスクを見分けるための5条件

 全ての上場銘柄から予想配当利回りが高い銘柄を抽出すると、上位には、予想配当利回り7%以上の銘柄もあります。一見魅力的ですが、ここは注意が必要です。予想配当利回りが高すぎる銘柄には、減配リスクの高いものが多いからです。

 減配リスクが低い高配当の有望銘柄は、予想配当利回りで3~5%あたりにたくさんあります。それでは、予想配当利回りの高い銘柄から、減配リスクの低い銘柄を選ぶ方法を解説します。条件を具体的に見てみましょう。減配リスクが低い銘柄には、一般的に以下の特色があります。

【1】時価総額が大きい
【2】収益力が良好(経常利益率が高い)
【3】財務が良好(借金が少ない)
【4】景気の影響を受けにくい業種(ディフェンシブ株)
【5】経営者が株主への利益配分に積極的

 5条件全てを満たす必要はありません。また、上記の条件を全てチェックするのは大変です。実際に投資銘柄を選ぶときは、上の条件のうち最上位の条件【1】だけ満たす銘柄を選べば、投資候補として十分です。

 以下、覚えておいてください。

<高配当利回り株の選び方>
時価総額1兆円以上から選ぶだけでもよい

 予想配当利回りの高い銘柄から、減配リスクの低い銘柄を絞り込む時、時価総額が大きい(例えば1兆円超)という条件だけ満たすものを選んでも、まあまあ良い銘柄を選んでいるといえます。

 時価総額が1兆円以上の銘柄には、収益力が安定的で財務が良好な銘柄がたくさんあるからです。つまり、【1】だけ満たす(時価総額が大きい)銘柄を選べば、自動的に【2】収益力や、【3】財務でも、まあまあ良い銘柄を選んでいることになります。

【4】と【5】は必須条件ではありません。【4】や【5】にも該当すれば理想的というだけです。

「不況の影響を受けにくい業種から選ぶ」が、条件【4】です。情報通信、医薬品、食品などに、不況の影響を受けにくいディフェンシブ株が多数あります。