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著者の窪田 真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「日経平均急落、ここは良い買い場?さらなる下落を警戒すべき? 」
日経平均急落、テクニカルに弱気局面入りか
先週(営業日7月22~26日)の日経平均株価は、1週間で2,396円下落し、3万7,667円となりました。7月11日に一時、史上最高値の4万2,426円をつけましたが、そこから10営業日で4,789円(約11%)の急落となりました。
日経平均には、テクニカル分析から「弱気局面入り」する可能性が出ました。ダブルトップ(二番天井)をつけて下げる形となったからです。あと2週間くらい3万8,000円前後で日経平均がもみあうと、13週移動平均線が26週移動平均線を上から下へ抜けるデットクロス(弱気シグナル)も出て、さらに弱い形となります。
そうならないためには、今週から日経平均が急反発する必要がありますが、難しいかもしれません。
日経平均株価の週足:2024年1月4日~7月26日
日経平均急落のひきがねを引いたのは円高です。日経平均が最高値をつけた7月11日以降、急激な円高が進みました。円安進行時に投機筋が積み上げていた日経平均先物の買いポジションが、円高転換で解消に向かい日経平均急落につながりました。
ドル/円為替レートの週次推移:2024年1月2日~7月26日
円高反転の理由として以下四つがあります。
【1】米景気鈍化を示す指標が増え9月利下げが確実視されるようになったこと
【2】年内に日本銀行が利上げする可能性があること
【3】7月11日に政府日銀による為替介入と見られる動きがあったこと
【4】「ドル高は問題」と考えるトランプ氏が米大統領選で優位となったこと
その後、米国の生成AI関連株の下落が、日経平均に追い打ちをかけた形です。米国株をけん引してきたハイテク株や半導体株が下落して、リスクオフの流れを作りました。行き過ぎた円安と生成AIラリーに修正が入り、それに伴って日経平均も売られたと言えます。
ナスダック総合指数の週足:2024年1月2日~7月26日
ナスダック総合指数の週足チャートを見るとまだ上昇トレンドが終わったと判断できるほど弱くはなっていません。ただし、生成AIブームの中心にあったエヌビディアなど半導体関連株は、上昇局面がいったん終了したと思わせるきつい下げとなっています。