2024年中間期は予想を上回る11%増益、22%の増配実施へ

現地コード 銘柄名
00762

中国聯合網絡通信香港

(チャイナ・ユニコム・ホンコン)

株価 情報種類

6.26HKD
(8/16現在)

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 中国の3大通信キャリアの1社、チャイナ・ユニコムの2024年6月中間期の純利益は前年同期比11.3%増の138億元に達し、市場予想とBOCIの予想をいずれも上回った。同社は中間配当を22%増額する方針を示し、株主還元を強化するとのコミットメントを改めて強調している。BOCIはネットワークの共有によるローバンド(低周波数帯)5G基地局の利用拡大により、無線ネットワーク全体の稼働率が向上した点に注目。目標株価を据え置き、株価の先行きに対して強気見通しを継続している。

 上期と4-6月期の純利益はそれぞれ前年同期比11.3%増、13%増と、市場予想とBOCIの予想から上振れた。サービス収入の伸び率は上期に前年同期比2.7%と、BOCIの予想をやや下回り、業界平均より低い数字となった。

 4-6月期のEBITDA(利払い・税引き・減価償却前利益)は前年同期比8.9%増の217億元。EBITDAマージンは1.6ポイント改善した。コンピューティングおよびデジタルスマートアプリケーション(CDSA)事業の売上高が6.6%増え、従来型の通信サービス事業の2.1%増を上回る成長ペースを示す中で、コスト管理の強化に成功した。

 フリーキャッシュフローは2024年6月末に53億9,000万元と、2023年末の107億元のほぼ半額。営業活動によるネットキャッシュフローが23.5%減の293億元にとどまったことが一因だが、BOCIはその理由として、従来型2C(消費者向け)事業より売掛金回収期間の長い2B(企業向け)事業の急成長を指摘している。

 上期の設備投資額は前年同期比13.4%減の239億元で、接続・通信とCDSAの両事業で設備の拡充ペースが加速。中国全土に5Gのミッドバンド基地局131万局と、ローバンド基地局7万8,000局を配置した。また、上海とフフホトにAIアクセラレーター1万台強を備えたインテリジェントコンピューティングセンターを建設。さらに大規模コンピューティングセンターパーク29カ所を建設した。経営陣が示した2024年通期の設備投資計画は650億元となっている。

 通信サービスの上期の売上高は2.1%増の1,251億元。接続カバー数の8,000万件の純増(期末に累計10億件)が寄与した。モバイル加入者数は600万件増の3億4,000万件で、IoT(モノのインターネット)接続数は5億6,000万件を突破。また、5Gプランの加入者が全体の80%を超え、全体のARPU(加入者1人当たり月額収入)は103元に達した。一方のCDSA事業の売上高は6.6%増の435億元に上り、売上構成比が25.8%に上向いた。

 BOCIはDCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を維持し、株価の先行きに強気見通しを継続。レーティング面でのリスク要因として、サプライチェーンの混乱がクラウドや産業インターネット事業に悪影響を及ぼす可能性、中国企業に対する投資規制という米制裁が同社株のバリュエーションを圧迫する可能性を挙げた。