2024年6月中間期に57%のコア増益、再エネ事業が急拡大

現地コード 銘柄名
01083

港華智慧能源

(タウンガス・スマート・エナジー)

株価 情報種類

2.97HKD
(8/16現在)

 株価
 企業情報
 チャート

 中国本土の都市ガス会社、タウンガス・スマート・エナジーの2024年6月中間決算は、コア利益が前年同期比57%増の7億700万HKドルに達し、BOCIの予想を5%上回った。再生可能エネルギービジネスの高成長や金融費用の抑制が主な増益要因。BOCIは一段の利幅の改善と再エネ事業の拡大を理由に、下期の利益が上期比で36%増加するとみている。半面、再生エネ事業への投資を減速させるという同社の方針を受け、2025-26年の予想EPS(1株当たり利益)を7-10%減額したが、一方で短期的なフリーキャッシュフローの改善につながるとの見方。目標株価を引き上げ、株価の先行きに強気見通しを継続している。

 上期の純利益は前年同期比33%減の7億4,300万HKドルだったが、一過性要因(前年同期に上海ガスの持ち株売却益6億9,200万HKドルを計上)を除いたコアベースでは同57%の増益。再エネ事業の営業利益が前年同期比18倍増の1億6,400万HKドルに達したことが寄与した。送電網に接続された太陽光設備の発電容量は、6月末時点で2.1GWと、前年同期の1.1GWから急拡大。これに伴い、上期の太陽光発電量は前年同期比1.43倍の6億8,000万kWhに達した。さらにエネルギー・炭素管理サービスなど、資産軽量化事業の利益も3倍の2,800万元。これも再エネ事業の成長けん引役の一つとなった。

 ガス販売部門を見ると、上期の販売量は前年同期比6%増(うち小売販売量は4%増)。1立方メートル当たり利益は前年同期の0.50元から0.52元に上向いた(小売限定では0.54元から0.56元に増加)。エンドユーザー向け家庭用ガス料金の値上げなどが寄与した。部門利益は6%減少したものの、合弁会社・関連会社利益を含めた場合は6%増となる。

 続く下期の利益は上期比で36%増加する見込み。経営陣が示した通期ガイダンスをあてはめると、下期のガス小売事業の利幅は1立方メートル当たり0.58元に拡大する。さらに下期の太陽光発電量について、経営陣は上期比43%増との目標を明らかにしている。

 現在株価は2024年予想PER(株価収益率)で6.1倍と、セクター内で最も低い水準。BOCIは再エネ事業の急成長を理由に、同業銘柄を上回る成長見通しを示している。

 BOCIは2024-26年の営業利益に関する予想を16%、33%、37%減額修正した。同社が太陽光発電の新規導入量に関する目標値を下方修正したことが理由。また、2024年の予想EPSを据え置きながらも、2025年、2026年に関しては7%、10%引き下げた。ただそれでも、2024年と2025年の予想EPSはいずれも前年比5%増、2026年は同14%増。DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式に基づく目標株価を逆に引き上げ、株価の先行きに関する強気見通しを継続している。

 一方、レーティング面の潜在リスク要因としては、再エネ事業の履行に関するリスクとともに、新規のガス管接続件数(上期に前年同期比11%減)が予想以上に速いペースで落ち込む可能性を挙げている。