テクニカル面で見たBTC相場見通し

BTC/USD(パターン分析と200日移動平均線)

出典:Trading Viewより楽天ウォレット作成

 テクニカル的には9月は下に行って来いで、下値を確認して反発、さまざまなレジスタンスを抜け、下降トレンドからの反転が鮮明になった。

 先月「下方向は6月安値程度まで下値余地がありそう」で「上方向は200日移動平均線の2万7,000ドル台半ば(2万8,000ドル台に上昇)、さらに2万8,300ドル辺りは強めのレジスタンス」と申し上げたが、その6月の安値でサポートされ、10月に入って2万8,000ドル台の200日移動平均線(2万8,000ドル)、8月29日の戻り高値(2万8,200ドル)、半値戻し(2万8,400ドル)をブレークしている。

 この結果、7月からの下降トレンド線を上抜け、トレンド転換が鮮明となった。

 タイミングが10月中になるか、11月となるかは経済指標など他の材料次第だが、3万2,000ドル手前の年初来高値更新が視野に入ってきた。

BTC/JPY (一目均衡表)

出典:Trading Viewより楽天ウォレット作成

 一目均衡表も、弱気相場からの脱却が鮮明になりつつある。8月に雲を下抜け、9月頭には3役逆転の売りサインが点灯した。しかし2万5,000ドル割れで切り返すと、しばらくは雲の下限に上値を押さえられたが、10月に入り雲を上抜け、3役好転の買いサインが一時点灯した。

 足元では雲の中に再突入、まだダマしの可能性も残るが、雲の上限が徐々に下がってくることから、このまま横ばいでも雲の上に出て買いサインが再点灯することとなる。

BTC月別騰落一覧

出典:Bloombergより楽天ウォレット作成

 恒例の月別の騰落率で見ると、8月9月は1年で最もパフォーマンスが悪い時期。1回目と2回目など微妙な違いはあるものの、同じブラックロックのETF申請の判断が延期されても、9月頭はBTCが大きく売られ、9月末は動じなかったのは、この季節性も影響したか。

 小職が、この月別の騰落率を紹介し始めて数年たつが、当初はこの市場で「アノマリー」や「カレンダー効果」を指摘する声はあまりなかった。しかし、昨今はこうした見方が広まり、多くの参加者が意識するようになったことから、自己実現的に8月から9月にかけて地合いが悪化しているのかもしれない。

 要は投資家心理に影響を与えている可能性がある。そうでなくとも、やはりマイナーの供給が一定のBTC相場は取引が細る夏場に下がりやすい。こうした売りの季節を通過し、2月・4月に次いで強い10月を迎えた。

BTC/USD 3万~4万ドルはやれやれ売りが出やすいゾーン

 以前から申し上げているように、3万ドルから4万ドルは、2021年から残るロングポジションのやれやれ売りが出やすいゾーンで、年末には3万ドル前後に収束すると予想しているが、この10月から11月にかけて、3万2,000ドルを少し超えた水準、例えば3万3,000ドル程度まで上値を追う展開が予想される。

まとめ

 まとめると、10月のBTC相場は上値余地を探る展開を予想する。

 足元の上昇はFRBの利上げ打ち止めを織り込みに行く動きで、もし10月の雇用統計やCPIが弱く11月利上げ見送りが確実視されるようになれば、10月中にも年初来高値をトライ、3万2,000ドルないしもう少し上値を伸ばす可能性がある。

 逆に10月の数字が強く、11月に予防的に利上げを行ったとしても、それ以降はしばらく利上げを見送る可能性が高い。少なくともFOMC参加メンバーの多くはそう考えている。その場合は11月中に3万3,000ドル程度まで値を伸ばす展開になるかもしれない。

 3万3,000ドルをドル/円150円で計算すれば約500万円。数字次第でタイミングは前後しそうだが、今後2カ月の間にこの水準まで達すると予想している。