(3)買いシグナルで買ったら、下がってしまった!

 次のクイズです。

<クイズ>冒頭のクイズで買いシグナルが出ていたA社株を買ったら、いきなり下がってしまいました。さて、ここでの投資判断は、売り・買い増し、どっち?

(注:筆者作成)

 売買シグナルは、天気予報のようなものです。明日、晴れるといっても、雨が降ることもあります。買いシグナルが出ていると言っても、下がってしまうこともあるわけです。

「当たる可能性が70%」であれば、立派な買いシグナルと言えます。それでも、30%の確率で、買いシグナルは外れるわけです。

 以下に、70%の確率で当たるシグナルで2回続けて売買した時の結果を示します。

 7割の確率で当たるシグナルで2回売買した場合

  1回目 2回目 確 率
ケース1 49%
ケース2 × 21%
ケース3 × 21%
ケース4 × × 9%

(注:◎は当たり、×は外れを示す、筆者作成)

 2回連続でシグナルが当たる可能性は49%(約半分)しかありません。つまり、7割当たるシグナルで売買しても、2回売買すれば、2回に1回は外れると考えるべきです。

 さて、クイズの答えですが、ここでの買い増しは厳禁です。「売り」が正解です。一旦買いシグナルが出て、出来高が急増して上昇した直後に、悪材料が出て、ドスンと下がったわけですから、ここからは「三十六計、逃げるにしかず」。ぐずぐずしていると、悪材料を見て、高値で買いついた人がどんどん投げ売りしてきます。

 肝に銘じていただきたいことは、以下の法則です。

「いかなる買いシグナルも、直後に大陰線が出れば、強い売りシグナルに変わる」

「いかなる売りシグナルも、直後に大陽線が出れば、強い買いシグナルに変わる」

 チャートを使った売買で一番重要なことは、以下です。「買いシグナルで買っても、外れたら、すぐに損切りすること」

 100%当たる訳でなくても、チャートのシグナルを見て売買するのは意味があることです。7割の確率で上昇するパターンが出たら買いを実行、上昇すれば利益が得られます。もし3割の確率で外れて下がったら、その時はさっさと損切りするだけです。

 7割当たるパターンのチャートで何回も何回も勝負を繰り返せば、長期的には利益を積み上げることができるはずです。デイ・トレーディングで利益を積み上げていく人は、それがわかっていて、実行できる人です。

▼クイズで学ぶテクニカル指標シリーズ

(1)急落した成長株

(2)反発局面を狙う

(3)トレンドを読む

(4)移動平均線とのかい離率を読む

(5)チャートの節を読む

(6)売買シグナルの使い方

(7)売りはむずかしい?

(8)売りシグナル点灯

(9)出来高の変化を読む‐1

(10)出来高の変化を読む‐2

(11)出来高の変化を読む‐3