晴れた日には「2020年のダウ平均3万ドル」が見えてきた

 本年7月3日、トランプ政権のナバロNTC(米国家通商会議)委員長は、「FRB(米連邦準備制度理事会)が政策金利を下げ、トランプ大統領の成長計画を推進すれば、ダウ平均は3万ドルに到達する」と述べました。実際、ダウ平均は11月15日にいったん2万8千ドルに達しました(年初来で約20%上昇)。この水準でダウ平均は3万ドルまで残すところ約7%となりました。

 図表2は、2016年以降のダウ平均と日経平均とそれぞれの線形近似線、「世界株式センチメント指標」(JPM Global Equity Sentiment Indicator)の推移を比較したものです。世界株式センチメント指標は、株式市場に関するテクニカル要因、需給要因、市場心理要因を総合的に指標化したもので、同指標が上昇すれば「センチメント改善」、低下すれば「センチメント悪化」とみなされます。

 外国人投資家が日本株式(現物株)を6週連続で買い越した(東証・投資主体別売買動向)背景として「投資家センチメントが年初来で最高水準まで改善した」ことがわかります。同指標は、昨年1月に近年ピークを付けて以降伸び悩んできましたが、直近は改善傾向を辿り、いまだ改善余地があるようにみえます。

 目先の乱高下を経て、「2020年にダウ平均は3万ドルに到達する」との上値シナリオをイメージして株式を買ってきたように見えます。様々なリスク要因が引き起こす株価変動を交えつつ、米国株式は2020年も堅調傾向を辿る可能性が高いと期待しています。

図表2:視野に入ってきた「2020年のダウ平均3万ドル」

*世界株式センチメント指標=テクニカル要因、需給要因、市場心理要因の改善や悪化を総合的に示す指標
出所:Bloombergのデータをもとに楽天証券経済研究所作成(2019年11月20日)