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相続放棄の基礎知識(その1)~相続人が取りうる3つの選択肢とは?
足立 武志
知らなきゃ損する!今日から使える税金のキホン
難しくよくわからない「税金」。だれでもわかるように、知らないと損する情報を公認会計士・税理士かつ個人投資家がお届けします。

相続放棄の基礎知識(その1)~相続人が取りうる3つの選択肢とは?

2017/2/24
相続が発生したとき、財産を受け取る立場の相続人にとって、3つの選択肢があることをご存知でしたか?これを知っておけば、「こんなはずじゃなかったのに・・・」という後悔を事前に防げるかもしれません。
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相続が発生したとき、財産を受け取る立場の相続人にとって、3つの選択肢があることをご存知でしたか?これを知っておけば、「こんなはずじゃなかったのに・・・」という後悔を事前に防げるかもしれません。

相続人は3つの選択肢の中から選ぶことができる

相続が起こったら、相続人は自動的に財産を受け取ることになる・・・漠然とそんなふうに考えている方も少なくないと思います。その考え、おおむね合っています。しかし、マイナスの財産、つまり銀行からの借入金などの「債務」がある場合は少し違ってきます。

なぜなら、そもそも相続人(財産を引き継ぐ側)の債務ではないのに、相続によって強制的に相続人に引き継がせるのはあまりにも酷だからです。

そのため、法律上、相続がおきたときに相続財産をどのように引き継ぐか、相続人は次の3つの選択肢の中から選ぶことができます。

  • (1)単純承認
  • (2)相続放棄
  • (3)限定承認

多くのケースでは「単純承認」となる

(1)の単純承認とは、被相続人(亡くなった方)が所有するプラスの財産もマイナスの財産(=債務)も含めて、全ての財産を相続人が相続することをいいます。多くの場合はこれに該当します。

通常、遺言書のとおりに遺産を分割したり、相続人全員が集まって遺産分割協議をしたりします。これは、自分自身では意識していなくとも、法的に言えば「単純承認」をしているということにほかなりません。

「単純承認」をする場合は、特段の手続きは必要ありません。この単純承認こそが、相続の原則だからです。

なお、一度単純承認をすると、その後相続放棄をすることはできなくなりますので慎重に判断するようにしてください。相続人の知らない借入金はないか、連帯保証の債務はないか、よく調査することをお勧めします。後から多額の借入金が見つかっても、すでに単純承認をしていれば、相続人が引き継がざるを得なくなるからです。

「相続放棄」をした方がよいのはどのような場合?

(2)の相続放棄とは、文字通り相続するのを放棄してしまうことです。相続放棄をするためには、法律で定められた手続きが必要となります。

相続を放棄したい場合は、原則として相続が生じたことを知ってから3カ月以内に家庭裁判所へ申請をする必要があります。

なお、この相続放棄は、相続人1人ひとりが単独ですることができます。ですから、相続人3人のうち1人だけ、もしくは2人だけ放棄する、ということも可能です。

相続放棄をした場合、その人は初めから相続人ではなかったとみなされます。ですから故人(被相続人)が残した借入金についても、返済する義務が一切なくなります。

この相続放棄と似て非なるものが、遺産分割協議書に「相続を放棄する」と記すことです。これは単に、自身が受け取ることのできるはずであった財産を受け取らない、という合意を相続人の間でしたに過ぎません。それだけでは法的に相続放棄をしたことにはなりません。故人が残した銀行の借入金や連帯保証から完全に逃れるためには、法的手続きに従って相続放棄をすることが必要ですから十分注意してください。

「限定承認」っていったいどのようなもの?

上記の単純承認や相続放棄は、割と理解がしやすかったかもしれません。でも、(3)の「限定承認」となると、ご存知のない方が多いのではないでしょうか。

これは、プラスの財産の範囲に限定して、マイナスの財産(=債務)も引き継ぐ、というものです。

この限定承認は、例えばプラスの財産とマイナスの財産、どちらの方が多いのか良く分からない、という場合に使います。プラスの財産の方が多ければそれでよし、万が一マイナスの財産の方が多ければ、プラスの財産を超える分は相続しなくても良いからです。

また、相続放棄の場合は、プラスの財産もマイナスの財産も含めてすべて放棄しなければなりませんが、プラスの財産のうちこれだけは相続しておきたい、というものもあるかもしれません。そのような時にもこの限定承認が活用できます。

なお、限定承認は相続放棄と異なり、相続人全員で申し立てをしなければなりません。つまり、相続人全員の同意が必要ということです。

実務上、限定承認が使われるケースというのはほとんどありません。相続放棄と比べて手続きがかなり煩雑であること、相続人全員で申し立てをしなければいけないため、1人でも反対すると申し立てができない点、そして税務上のデメリット(これは次回にご説明します)もあるためです。

次回は、相続放棄や限定承認の際の注意点について、最低限知っておくべきことをお話ししたいと思います。

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