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「株式市場と通貨市場の転換点のシグナル」
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

「株式市場と通貨市場の転換点のシグナル」

2016/9/8
悪材料などにより株価が急落した銘柄を逆張りで買い向かうか、それとも手を出さずに様子を見るかは、個人投資家の間でも意見が分かれるところです。そこで今回は株価急落銘柄について逆張りと順張りそれぞれのメリットとリスクを考えるとともに、筆者ならどう行動するかをお話ししたいと思います。
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為替相場を中央銀行がコントロールできていたのは2015年4月辺りまでである

ブローカーによると、「ドル/円相場は米系ファンドが懲りもせずにドル買いを仕掛けては失敗して投げる」という展開が続いているのだという。また、アルゴリズム売買も同様の展開で苦戦が続いているようだ。FRBの経済予測が当たったためしがないなか、「利上げするぞ」という姿勢と、それを正当化できないグローバルデフレの環境が相まって、相場も方向性を失っているようだ。

為替相場を中央銀行がコントロールできていたのは2015年4月辺りまでである。下のチャートは通貨市場の指標銘柄ともいえるユーロ/ドルの週足だが、2015年の半ば以降はECBが追加緩和をおこなってもマイナス金利を導入しても相場は反応しなくなってしまった。これでは通貨ファンドも<商売上がったり(Business go bankrupt)>である。

ユーロ/ドル(週足)
上段:14週修正平均ADX(赤)・26週標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21週ボリンジャーバンド1シグマ(緑)・2シグマ(赤)

(出所:石原順)

こうしたなか、投機筋の興味は米国の利上げ観測にもかかわらずドル安が続いているドル/円やポンド/ドルの相場に向かっている。ドル/円相場は今年の2月に相場が20か月移動平均を割り込んでからは、日銀という円安誘導仕手筋の仕手崩れ相場となってしまった。だだし、現在はドル/円もポンド/ドルも週足相場が明確な方向性を示しておらず、通貨ファンドからは、「米国が利上げするか、大きくは米国の新大統領が決まるまでは通貨市場に明確な方向性は期待できないのかもしれない」という観測が聞こえてきている。

ドル/円(週足)
上段:14週修正平均ADX(赤)・26週標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21週ボリンジャーバンド1シグマ(緑)・2シグマ(赤)

(出所:石原順)

円のポジション(CFTC発表8月30日現在)
ジャクソンホール後も円買いポジションは減っていない

(出所:石原順)

ポンド/ドル(週足)
上段:14週修正平均ADX(赤)・26週標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21週ボリンジャーバンド1シグマ(緑)・2シグマ(赤)

(出所:石原順)

一方、株式市場をみてみると、NYダウは横這いと高値波乱の入り混じった相場となっており、相場の世界に長くいる人ほど現在の米株式市場に対して慎重になっている。株式市場はあらゆる金融商品の中で最もトレンドの発生しにくいランダムウォーク市場と言われるが、26週標準偏差ボラティリティや14週修正平均ADXの動きを見ていると、米国株式市場参加者は順張りでは収益を上げにくいことを物語っている。

NYダウ(週足)
米国株はNYダウが17倍、S&P500が18倍と過去の平均PER(14倍)を大きく上回るなか、年内の米国の利上げ観測は米国株式市場にとって逆風となる可能性がある。
上段:14週修正平均ADX(赤)・26週標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21週ボリンジャーバンド0.6シグマ(緑)・2シグマ(赤)

(出所:石原順)

NYダウ先物のポジション(CFTC発表8月30日現在)
NYダウ先物の投機筋の買いポジションはリーマンショック後の最高水準

(出所:石原順)

トレンドレスな相場に対応するには?

週足を観ていると、通貨市場も株式市場もトレンドを持ちにくい相場環境であることは明確である。こうしたリーマン危機以降の中央銀行主導という相場の変化に対応するために、筆者は逆張りや相場の転換点を当てる売買手法を多用している。

現在のトレンドレスな相場環境で筆者が継続しているのは、ドル/円・ユーロ/ドル・日経平均・NYダウの転換点売買だ。もちろんシグナルがすべて相場の転換点になるわけではない。損失を限定するためにストップ・ロスを置いて機械的に売買しているが、そのパフォーマンスは悪くない。最近は上記の銘柄に加えて、豪ドル/円、NZドル/円、ゴールドなども売買対象に加えている。

転換点売買

<修正平均ADX(パラメータ3)>がピークに達した次のローソク足の方向についていくだけの短期売買手法である。ストップ注文を置いて参入、直ちに利食いをおこなう場合もあるし、利が乗ってきたらトレール注文的な決済をおこなうこともある。いずれにせよ、損切り注文を入れることは必須である。

ドル/円(日足)
上段:13日エンベロープ±2%(青)・±3%(赤)
下段:3日修正平均ADX(青)

(出所:石原順)

ユーロ/ドル(日足)
上段:13日エンベロープ±1%(青)・±2%(赤)
下段:3日修正平均ADX(青)

(出所:石原順)

豪ドル/円(日足)
上段:13日エンベロープ±2%(青)・±3%(赤)
下段:3日修正平均ADX(青)

(出所:石原順)

NZドル/円(日足)
上段:13日エンベロープ±2%(青)・±3%(赤)
下段:3日修正平均ADX(青)

(出所:石原順)

ゴールド先物(日足)
上段:13日エンベロープ±1%(青)・±3%(赤)
下段:3日修正平均ADX(青)

(出所:石原順)

日経平均先物(日足)
上段:25日エンベロープ±5%(青)・±10%(赤)
下段:3日修正平均ADX(青)

(出所:石原順)

NYダウ先物(日足)
上段:18日エンベロープ±1%(青)・±3%(赤)
下段:3日修正平均ADX(青)

(出所:石原順)

200日EMAフィルター付きストキャスティクス逆張り売買シグナル

先週のレポートで取り上げた200日EMAフィルター付きストキャスティクス逆張り売買シグナルは、<200日移動平均線の下に相場がある時は押し目買いをしない、逆に200日移動平均線の上に相場がある時は戻り売りをしない>というルールに基づいて、ストキャスティクス5.3.3(ストキャスティクスの考案者であるレーンのオリジナルのパラメータ)のシグナルを点灯させている。<3日修正平均ADXを利用した転換点売買>と同様に、<200日EMAフィルター付きストキャスティクス逆張り売買>のパフォーマンスも良好である。

ドル/円(日足)のフィルター付き逆張り売買シグナル
上段:200日EMA(緑)・52日ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

ユーロ/円(日足)のフィルター付き逆張り売買シグナル
上段:200日EMA(緑)・52日ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

豪ドル/円(日足)のフィルター付き逆張り売買シグナル
上段:200日EMA(緑)・52日ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

NYダウ(日足)のフィルター付き逆張り売買シグナル
上段:200日EMA(緑)・52日ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

FTSE100先物(日足)のフィルター付き逆張り売買シグナル
上段:200日EMA(緑)・52日ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

DAX(日足)のフィルター付き逆張り売買シグナル
上段:200日EMA(緑)・52日ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

株のボラティリティが上がる月は歴史的に見て5月・9月・10月

今月の相場の方向性を決するのは、何といっても9月21日の日米の金融政策の行方である。筆者は株式インデックス売買で逆張りを続けてきたが、ここから株式相場は注意を要する時間帯に入る。株のボラティリティが上げる月は歴史的に見て5月・9月・10月で、ボラティリティの上昇は株の下げにつながりやすい。

新債券の帝王ジェフリー・ガンドラックは「集団心理で正常な判断ができない状況が続いている」と発言、ブラックストーンのバイロン・ウィーンも「年内には大きく調整する」と発言している。筆者もそろそろ米国の株式市場は調整に入るのではないかとみている。

このレポートで取り上げた売買手法の詳細はDVD『相場で道をひらく7つの戦略-短期売買実践編』(石原順)で取り上げております。興味のある方はご参照ください。

新しいDVD『相場で道をひらく7つの戦略-短期売買実践編』(石原順) が楽天ブックスで好評発売中です。

日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』を参照されたい。

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