順張りと逆張り、および転換点を当てる手法

筆者は現在のトレンドレスな相場状況で、株式インデックスと通貨の相場の転換点を当てる短期売買を続けている。トレンド指標(ADX・標準偏差ボラティリティ)で方向性を確認し、トレンドがない場合はストップロス注文を置いて逆張り・転換点売買を行う。一方、トレンドが発生した場合、逆張りは直ちに停止して、トレンドについていく手法を採用する。

石原式勝てる場面の見分け方

(出所:石原順)

トレーリングストップ注文を使った転換点・逆張り売買が好調!

現在、筆者はパラメータが3の修正平均ADX(70以上・30以下の領域での反転)とエンベロープを観察しながら相場の転換点売買を行っている。相場の転換ポイントは下のチャートの矢印のポイントである。これは、<修正平均ADX(パラメータ3)>がピークに達した次のローソク足の方向についていくだけの短期売買手法である。

相場で一番大切なのは防御で、具体的にはストップロス注文を置くことである。あとに残された課題は利益をいかに伸ばすかだが、損失の最小化と利益の最大化を両立させる注文方法は<トレール注文>であろう。

<注:トレール注文とは>

逆指値(ストップロス)注文を、より効率的に用いるための注文方法でトレーリングストップ注文とも呼ばれます。ストップロスのための逆指値注文を置いておくだけではなく、実勢の取引レートとほぼ同じ値幅間隔で、ストップ注文の指定レートを徐々に有利な方向へ自動的に追尾してくれます。買いポジションの場合は、相場の上昇に合わせてストップロス注文の指定レートを切り上げてくれます。逆に売りポジションの場合は、相場の下落に合わせてストップロス注文の指定レートを切り下げてくれます。このように損失の最小化と利益の最大化をはかる注文方法がトレール注文です。

ユーロ/ドル(日足)
上段:13日エンベロープ±2%(青)・±3%(赤)
下段:3日修正平均ADX
ユーロ/ドル/日足相場では<3日修正平均ADX>が70以上や30以下になった時が相場転換の領域となりやすい。相場の転換ポイントは矢印のポイントである。<3日修正平均ADX>がピークに達した次のローソク足の方向についていくだけの短期売買手法で、ストップロス注文(トレール注文=トレーリングストップ注文)を置いて参入し、失敗すれば直ちに撤退、トレール注文で利益の極大化を狙う売買手法である。

(出所:MT4 売買手法&インジケータ:『DVD 相場で道をひらく7つの戦略 ~短期売買実践編~』石原順)

ドル/円(日足)
上段:13日エンベロープ±2%(青)・±3%(赤)
下段:3日修正平均ADX
ドル/円日足相場では<3日修正平均ADX>が70以上や30以下になった時が相場転換の領域となりやすい。相場の転換ポイントは矢印のポイントである。<3日修正平均ADX>がピークに達した次のローソク足の方向についていくだけの短期売買手法で、ストップロス注文(トレール注文=トレーリングストップ注文)を置いて参入し、失敗すれば直ちに撤退、トレール注文で利益の極大化を狙う売買手法である。

(出所:MT4 売買手法&インジケータ:『DVD 相場で道をひらく7つの戦略 ~短期売買実践編~』石原順)

日経平均先物(日足)
上段:25日エンベロープ±5%(青)・±10%(赤)
下段:3日修正平均ADX
日経平均先物日足相場では<3日修正平均ADX>が70以上や30以下になった時が相場転換の領域となりやすい。相場の転換ポイントは矢印のポイントである。<3日修正平均ADX>がピークに達した次のローソク足の方向についていくだけの短期売買手法で、ストップロス注文(トレール注文=トレーリングストップ注文)を置いて参入し、失敗すれば直ちに撤退、トレール注文で利益の極大化を狙う売買手法である。

(出所:MT4 売買手法&インジケータ:『DVD 相場で道をひらく7つの戦略 ~短期売買実践編~』石原順)

S&P500先物(日足)
上段:18日エンベロープ±1%(青)・±3%(赤)
下段:3日修正平均ADX
S&P500先物日足相場では<3日修正平均ADX>が70以上や30以下になった時が相場転換の領域となりやすい。相場の転換ポイントは矢印のポイントである。<3日修正平均ADX>がピークに達した次のローソク足の方向についていくだけの短期売買手法で、ストップロス注文(トレール注文=トレーリングストップ注文)を置いて参入し、失敗すれば直ちに撤退、トレール注文で利益の極大化を狙う売買手法である。

(出所:MT4 売買手法&インジケータ:『DVD 相場で道をひらく7つの戦略 ~短期売買実践編~』石原順)

ストップロスの値幅をいくらにするかは当然商品によって違うが、筆者はテクニカルによるストップロスの設定はしていない。たとえば、相場が50銭逆に動いたらドル/円のポジションを手仕舞うストップ注文を置いたとしよう。しかし、1万通貨のポジションを持っている場合と、1000万通貨のポジションを持っている場合では損失額に1000倍の開きがある。したがって、ストップ幅というのは証拠金の何パーセントを失ったら損切りするという観点で設定しない限り意味がない。セミナー等で、「最適なストップ幅はいくらか?」という質問を頂戴するが、固定の損切幅というのを筆者が発表していないのは、上記の理由からである。

逆張りで暴落に巻き込まれない方法

筆者の周辺のファンドでは、相場が200日EMA(指数平滑移動平均線)を下回っている局面では、戻り売りはするが押し目買いを休止しているところが多い。それが、危機から身を守る手段であり、急落や暴落に巻き込まれないためのアラート(警報)だからだ。過去200日間の市場参加者の平均コストを下回っている相場は、相場急落のリスクを孕んでいる。

以下はドル/円の日足と、200日EMAフィルター付きストキャスティクス5.3.3の逆張りシグナルである。この売買手法の利食いについての質問が多いのだが、200EMAの下の相場での戻り売りシグナルの利食いポイントは、ストキャスティクス5.3.3の買いシグナル、あるいはトレール注文のいずれかを使っている。

ドル/円(日足) 200日EMAフィルター付きストキャスティクスの逆張りシグナル
上段:13日エンベロープ±2%(青)・±3%(赤)200日EMA(茶)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:MT4 売買手法&インジケータ:『DVD 相場で道をひらく7つの戦略 ~短期売買実践編~』石原順)

逆張りは相場の転換点を当てるゲームである。トレンドに逆らってカウンターで売買をおこなうので、損切注文は必須の売買手法だ。相場で発生する大きな損は、相場で間違った後の処置をしなかったために発生する。相場は一に損切り、二に損切り・・、ポジションに忠誠を尽くしてはいけない。

いずれにせよ、上記の転換点・逆張り売買手法には損切り注文が必須である。相場に絶対の法則はないので失敗も多いが、トレーリングストップ注文をおけば収益が上がる可能性は高まるだろう。

このレポートで取り上げた売買手法の詳細はDVD『相場で道をひらく7つの戦略-短期売買実践編』(石原順)で取り上げております。興味のある方はご参照ください。

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日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』を参照されたい。