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「勝てる場面はチャートが教えてくれる?」
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

「勝てる場面はチャートが教えてくれる?」

2016/4/14
今年のNYダウが上げていく条件は、ドル安と原油高が必要条件でいうのがファンド筋の認識だ。米著名投資家ラリー・ウィリアムズは、「原油市場は3月後半まで上げて、その後…
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今年のNYダウが上げていく条件は、ドル安と原油高が必要条件でいうのがファンド筋の認識だ。米著名投資家ラリー・ウィリアムズは、「原油市場は3月後半まで上げて、その後、調整の売りに押されて、4月に再び、上昇に転じる」と予想し、4月4日にも買い推奨を行ったが、金融市場は原油高(ロシアとサウジの増産凍結合意観測)を受けて、マーケットは中間反騰的なリスク・オン相場となっている。

原油先物(日足) 再び買いシグナル点灯
上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

シェールオイルの著名企業であるチェサピーク・エナジーは2014年の高値30ドル近辺から、今年の2月8日には1ドル50セントまで暴落したが、昨日の相場では6ドル50セントまで回復している。

チェサピーク・エナジー(日足)
上段:14日修正平均ADX(赤)
下段:21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ(緑)

(出所:石原順)

ジャンク債の暴落が次の金融危機のトリガーになるという観測が多い中で、米早期利上げ観測後退によるドル安と原油高は、金融市場に束の間の安心感を提供しているようだ。炭鉱のカナリアと言われる高利回り債のETFも年初来高値更新相場となり、200日移動平均線を上回る水準まで回復している。

iシェアーズ iBoxx 米ドル建てハイイールド社債 ETF(日足)

(出所:石原順)

ドル安・原油高を受けて米国株式市場は堅調な動きが続いているが、1984年以降の大統領選挙年の米国株のサイクルは1~2月に下げて3月中旬から4月末まで上げるというのが平均パターンだ。4月末に目先の天井を付ける可能性もあり、買い方は注意が必要だろう。

NYダウ(日足)
上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±0.6シグマ(緑)

(出所:石原順)

S&P500(週足)4月末に目先の天井を付ける可能性・・おそらく6月~8月は上値の重い展開が続くだろう

(出所:石原順)

米国株はここまで大統領選挙年の季節循環に従って動いているが、日本は日経平均もドル/円も季節循環のパターンを全く無視した急落相場が続いてきた。日本は相場操縦をやり過ぎており、市場が当局の政策に過剰に依存しているからである。

そうしたなか、4月13日には年金・簡保・郵貯などが総動員で株買いに動いた。市場は売り方の利益確定買いやショートカバーを巻き込んで、本日14日も大幅高している。4月28日に日銀が動くという観測が高まっているようだが、人為的な相場操縦なので4月いっぱいが賞味期限だろう。とりあえず、強い売りトレンド相場は相場が21日ボリンジャーバンドのー1シグマの内側に入った13日で終了し、日経平均は調整相場に移行したようだ。

日経平均株価(日足)
上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:25日エンベロープ±5%乖離(茶)・±10%乖離(赤)

(出所:石原順)

トレンド相場が終了したので、3日修正平均ADX(70以上・30以下の領域での反転)とエンベロープを観察しながら、日経平均の転換点売買を再開している。この売買は損切り注文が必須で、筆者は超短期のデイトレード売買にしか使用していない。

日経平均(日足)
上段:25日エンベロープ±5%(青)・±10%(赤)
下段:3日修正平均ADX(青)

(出所:Meta Trader4)

下のグラフは日本銀行が発表している日本の潜在成長率だが、日本は0.2%しか潜在成長率がないのである。株が大幅高するような環境にないことを頭に入れておきたい。

(出所:日本銀行)

ドル/円相場は現在、21日ボリンジャーバンド-1シグマの攻防となっている。筆者の順張り売買の手法は以下の図の通りだが、相場はNY市場の終値で21日ボリンジャーバンド-1シグマの内側に入ってきたら、粛々と手仕舞う(利食いする)だけである。

(出所:石原順)

ドル/円(日足) -1シグマの攻防
上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

日経平均と同じように、ドル/円も14日修正平均ADXや26日標準偏差ボラティリティがピークアウトしたら、3日修正平均ADX(70以上・30以下の領域での反転)とエンベロープを観察しながら、転換点売買を再開しようと思っている。

ドル/円(日足)
上段:13日エンベロープ±1%(青)・±2%(赤)
下段:3日修正平均ADX(青)

(出所:Meta Trader4)

ただし、ドル/円の大局は円高で、週足の円高トレンドには変化がない。何度も述べているが、ドル/円の週足が60週ボリンジャーバンドの-2シグマの内側(4月14日現在、112円05銭)に入ってこない限り、強い円高バイアスはかかり続けるだろう。

ドル/円(週足) 円買いシグナル点灯中
上段:14週修正平均ADX(赤)・26週標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21週ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

ドル/円(週足)60週ボリンジャーバンド±2シグマ(赤)・±3シグマ(青)

(出所:石原順)

そういう意味ではドル/円は戻り売り相場なのである。戻り売りの急所は、ストキャスティクス5.3.3の売りシグナルに従うだけだ。

ドル/円(日足)ストキャスティクス5.3.3のフィルター付き売買シグナル
大局円高相場の中でドル/円の戻り売りがうまくワークしている。

(出所:石原順)

アトランタ地区連銀が発表しているGDP NOWをみると、ローレンス・サマーズの主張する長期停滞観測が正しいと思える低成長だ。この状況では米国は穏やかなドル安を欲していると思われる。だから、日本がどう動こうと、大幅な円安というのは期待しにくい状況にある。

アトランタ地区連銀のGDPNOW

(出所:アトランタ地区連銀)

悩ましいのはユーロ/ドル相場である。通貨市場の指標ともいえるユーロ/ドル相場は2015年5月以降横這い相場で、大きなトレンドが発生していない。昨年以降、ユーロ/ドル相場は順張りよりも逆張りのほうが値幅をとれる相場展開となっている。

ユーロ/ドル(日足)
上段:14日修正平均ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

ユーロ/ドル(日足)
上段:52日ボリンジャーバンド(赤)・9日RSIの売買シグナル
下段:9日RSI

(出所:石原順)

ユーロ/ドル(日足)
上段:13日エンベロープ±1%(青)・±2%(赤)
下段:3日修正平均ADX(青)

(出所:Meta Trader4)

相場のトレンドを認識するのに有効な指標は非常に少ないが、近年のトレンド相場衰退の中で、筆者は何をやれば儲かるのかを常に探っている。その結果わかったことは、近年の相場は順張りだけで儲かる時代ではなくなったということだ。順張りだけで儲けようと思ったら、25~50の相関関係のあまりない商品を取引する必要があろう。

逆張りは相場のトレンドに逆らってポジションをとるので、大きな損失を被る可能性がある。ある意味でとても危険な売買手法であろう。相場にトレンドが発生した時は、逆張りを中止しなければならない。相場のトレンドの有無を教えてくれるのは、日足の14日ADXと26日標準偏差ボラティリティである。この二つの指標は常に見ておきたい。

相場に絶対の法則はない。相場を正確に予測することは誰も出来ない。筆者も30年にわたり相場と関わってきたが、投資の世界はつきつめてやりだすと、終わりの見えないことばかりなのである。それでも相場とは一体何かと言うと、それは「確率に賭けるゲーム」であろう。筆者が心がけていることは、勝つ確率の高い時期に投資を行うということである。みなさん、ストップロス注文をお忘れなく!

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日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』を参照されたい。

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