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「ドル/円の円安PKO相場は来春まで続く。どこを押し目と認識するか?」
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

「ドル/円の円安PKO相場は来春まで続く。どこを押し目と認識するか?」

2015/7/30
昨日発表されたFOMC声明は、市場が期待していた利上げ開始時期に関する言及はなかった。もともと、イエレンFRB議長より格上のスタンレー・フィッシャーFRB副議長の意向でフォワード・ガイダンスをやめているので…
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イエレンは年一回利上げ派

昨日発表されたFOMC声明は、市場が期待していた利上げ開始時期に関する言及はなかった。もともと、イエレンFRB議長より格上のスタンレー・フィッシャーFRB副議長の意向でフォワード・ガイダンスをやめているので、今後も利上げ時期はデータ次第ということになる。昨日のNY市場では、FOMC 声明を受けていったんはドル売りの反応が見られたものの、イエレンFRBのバブル温存姿勢を受けた買い戻し中心の株高や、株高を好感した円安が進行した。

いずれにせよ、今回の FOMC 声明では9 月の利上げを示唆するようなシグナルを与えなかったが、それでもほとんどの運用者が、「年一回の利上げはあるだろう」と考えている。FOMCメンバーのドット・チャートに関しては、イエレンFRB議長は年一回利上げ派の一人と噂されている。FF金利先物をみると、9月の利上げ確率が 0%となり、12月の利上げ確率が 59%となっている。

FF金利先物

一回目の利上げを0.25%と仮定すると、9月の利上げ確率が 0%となり、12月の利上げ確率が 59%となっている

(出所:石原順)

一方、9月利上げを予想する声も一部では根強い。来年の大統領選挙のスケジュールを考えると、政治的要因から9月に利上げしたほうが得策だという声があるからだ。米国の当局の声の代弁者と言われるセントルイス連銀のブラード総裁が「FRBが9月に利上げを行う確率は50%以上」と発言していることや、イエレンFRB議長の腹心と言われるサンフランシスコ連銀のウイリアムズ総裁が利上げに前のめりの発言をしていることが、9月利上げ説の根拠となっている。

FOMCメンバーの政策スタンス

(出所:石原順)

9月利上げの明確なシグナルが発せられなかったことで、新債券の帝王ジェフリー・ガンドラックをならって、「出口の寸前までバブルに踊る」という強気を述べるファンドもある。「低金利と低インフレの現状は好ましい。PCEコアデフレーターが2%になるまで、基本的にバブル環境は温存される」という見方だ。

個人消費関連のインフレ指標「PCEコアデフレーター」(前年同月比)

(出所:石原順)

しかし、5月以降の株の動きを見ていると、筆者は株がそれほどバブルするとは思っていない。昨年の秋以降、日本、欧州、中国などが金融緩和を拡大しているにもかかわらず、株がそれほど上がっていないのは、世界景気が低迷しているからだ。人工的な流動性相場なので調整も深くはないが、逆に言えば上値も限られるだろう。

NYダウ(日足) ストキャスティクスの30割れが逆張りポイント

上段:18日エンベロープ ±1%(青)・±3%(赤)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

日経平均(日足) ストキャスティクスの30割れが逆張りポイント

上段:25日エンベロープ ±5%(赤)・±10%(青)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

ハイイールド社債ETF(日足) 上昇相場に陰りが・・

(出所:石原順)

先週のレポートにも書いたが、株式投資の答えはもう出ていて、「株は10月末に買って、翌年の4月末に売却する」のが優位性の高い取引手法である。「10月末買い・4月末売り」というパターンの優位性は現在も継続している。今年もおそらく秋から冬にかけて買い場(ボトム)が到来するのではないだろうか?

ドル/円相場のどこを「押し目」と認識するか?

先週からいくつかのファンドとミーティングを持ったが、「ドル/円の円安PKO相場は来春まで続く。だから、ドル/円の押し目はすべて買いで対処する」という運用者が多い。ドル高・円安相場なので、ドル/円以外の通貨にはあまり興味がないようだ。

さて、問題はどこをドル/円相場の「押し目」と認識するかだが、今年の相場でずっと取り上げているエンベロープ(移動平均乖離バンド)と、あとは先週のレポートで取り上げた3日のATRバンドの2つを見ておけばよいだろう。

ドル/円(日足) 13日エンベロープ  13日エンベロープの-1%乖離および-2%乖離水準が押し目買いのポイント

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13日エンベロープ±1%(青) ±2%(赤)・9日RSI(鈍感バージョン)40-60 桃色=買い相場・水色=売り相場

(出所:石原順)

ドル/円(日足) 3日ATRバンド ドル/円相場は3日ATRバンドの±1ATRのバンドから逸脱することは少ない

上段:14日ADX(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:3日ATRバンド ±1ATRバンド(赤)

(出所:石原順)

ドル/円(1時間足) 13時間エンベロープ  -0.3%乖離および-0.6%乖離水準が押し目買いのポイント

上段:14時間ADX(赤)・26時間標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13時間エンベロープ±0.3%(青) ±0.6%(赤)・9時間RSI(鈍感バージョン)40-60 桃色=買い相場・水色=売り相場

(出所:石原順)

本日、日本時間の21:30に発表される米国の 第2四半期 GDP速報値(市場予想2.5%)が注目されている。今回のGDPから季節調整の計算式が変わるため、第1四半期のGDPも上方修正される見通しだ。GDPイベントでドル/円が124円50銭の抵抗を超えられるかどうかが焦点だ。

アトランタ連銀の経済予測モデル「GDP Now」

(出所:アトランタ連銀)

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