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「押し目買いをするのもこわい断続的な急落相場に対処するには?」
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

「押し目買いをするのもこわい断続的な急落相場に対処するには?」

2015/6/25
ドイツを始め国債市場の流動性が低下している。流動性の危機は、日欧米のQEの副作用として起きている。QEは流動性を提供しているにもかかわらず…
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今週は筆者トレードの根幹部分を紹介したい。具体的な実践トレードの説明である。今週のドル/円相場とユーロ/円相場の動きを振り返りながら、筆者の売買手法を説明していく。

相場に方向性があるのか、ないのか?

筆者が相場を見る場合、まずは、現在の日足相場に方向性があるのかないのかを判断する。トレンドの有無を判定するテクニカル指標は「標準偏差ボラティリティ(パラメータ26)」である。

相場に方向性が出てくると、標準偏差ボラティリティは上昇する。標準偏差ボラティリティが低い位置から上昇する場合は、相場が保ち合いを離れ、強い方向性をもつシグナルとなる。相場に大きなトレンドが発生する可能性のある局面は、標準偏差ボラティリティが上昇し、ボリンジャーバンドの±1シグマをブレイクしたときである。

方向性のある(トレンド)相場のパターン

この方向性のあるトレンド相場のパターンとなったのが、下のチャートの5月19日から6月9日までの相場である。

当然“ダマシ”もあり、1年を通した相場で筆者は何度も痛い目にあっているが、だまされても±1シグマラインで決済(損切り)するので、壊滅的な損はしていない。何度か痛い目にあってもこの手法を使うのは、年に2回程度は大きなトレンドに発展する確率が高いからである。

ドル/円(日足)
上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

テクニカル設定と売買手法

  • 21日ボリンジャーバンドを表示させる
    (株式インデックスは±0.6シグマ・通貨は±1シグマ)
  • 26日標準偏差ボラティリティを表示させる
  • トレンドの発生(保ち合い離れの判定方法)
    26日標準偏差が上昇しはじめた時
  • 新規建玉のポイント
    エントリー(新規注文)は相場が21日ボリンジャーバンド±1シグマの外に飛び出した時
  • 損失を限定しつつ利益を伸ばす手仕舞いのポイント
    手仕舞い(エグジット)は相場が21日ボリンジャーバンド±1シグマの内側に入った時

相場の美味しいところは、標準偏差ボラティリティが低い位置から上がっていく局面で、これを相場用語では「保ち合い放れ」・「レンジ・ブレイク」・「ボラティリティ・ブレイクアウト」などと呼んでいる。

方向性のない(調整)相場のパターン

標準偏差ボラティリティがピークアウト(天井をつけ下落)すると、トレンド期とはやや逆方向にバイアスがかかった調整相場(横這いレンジ内での乱高下相場)となりやすい。

ドル/円日足の標準偏差ボラティリティは、誰の目にも明らかな形で6月の半ばころから下がっており、現在のドル/円相場はトレンド期とはやや逆方向にバイアスがかかった「横這いレンジ内での乱高下相場」となりやすい時期である。

ドル/円(日足)
上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

筆者は今週のドル/円の調整相場で、相場が21日移動平均線と上値抵抗線を上抜けるか否かに注目していた。6月24日のブログ『ドル/円は21日MAを上抜け上値抵抗線の攻防へ』で、「ドル/円は昨日のNYクローズで21日移動平均線を上抜け、現在124円07銭付近を走っている上値抵抗線レベルの攻防となっています。上値抵抗線を上抜いてくるとフラットポイントの124円40銭レベルを目指すというのがチャートのパターンです」と申し上げたが、25日のNY時間に124円37銭まで上昇した。

いずれにせよ、ドル/円は6月18日に122円49銭まで下押し、昨日25日のNY時間に124円37銭まで上昇するという、典型的なジグザグ調整相場(横這いレンジ内での乱高下相場)のパターンである。

ドル/円(日足)
上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

急落相場時の対処法

筆者は今年の相場で1時間足でのトレードを頻繁に行っている。<1時間足>でみると、通貨の変動は概ね13時間移動平均線の±0.6%乖離の範疇で動くといわれている。

0.6%まで動くのはトレンドが発生した場合で、低変動率相場、すなわち、ノーマル相場の動く範囲は、概ね13時間移動平均線の±0.6%乖離(赤のバンド)の半分である13時間移動平均線の±0.3%乖離(緑のバンド)の範囲に収まっている。

エンベロープ(移動平均線乖離)は決して万能な指標ではないが、自律的な相場の運動範囲で注目すべきことは、「長期にトレンドが発生するような大きな材料が出ない限り、相場が移動平均の乖離の限度を大きく飛び出しても、バンドの中で収斂することが多い」ということだ。

ドル/円(1時間足) 13時間エンベロープ
上段:14時間ADX(赤)・26時間標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13時間エンベロープ±0.3%(青) ±0.6%(赤)・9時間RSI(鈍感バージョン)40-60 ピンク=買い相場・水色=売り相場

(出所:DVD 『相場で道をひらく ~標準偏差ボラティリティトレード~』 付録:トレードツール1)

さて、今週の相場はギリシャ問題に絡んでユーロ相場が大荒れとなった。筆者は6月23日の夜に、ユーロ/円を打診買いした13時間移動平均線-0.3%の水準でユーロ/円を買っていたのだが、相場は急落し、断続的な下げが続いた。

ユーロ/円(1時間足) 13時間エンベロープ
上段:14時間ADX(赤)・26時間標準偏差ボラティリティ(青)
下段:13時間エンベロープ±0.3%(青) ±0.6%(赤)・9時間RSI(鈍感バージョン)40-60 ピンク=買い相場・水色=売り相場

(出所:DVD 『相場で道をひらく ~標準偏差ボラティリティトレード~』 付録:トレードツール1)

筆者のポジションは当然評価損が膨らんだが、問題は「ここからどう対処するか?」である。

筆者は断続的な急落相場のなかで、26時間標準偏差ボラティリティがピークアウトするのを待っていた。そして、26時間標準偏差ボラティリティがピークアウトしたのを見て買い増しに動いたのである。相場がものすごい勢いで下げているとき、落ちるナイフを掴むのは危険だ。急落相場がいつ終わるのか、それは26時間標準偏差ボラティリティの動きで判断している。

26時間標準偏差ボラティリティがピークアウトしても、すぐにまた下げトレンドが発生して、さらに相場が下げることも珍しくない。急落・暴落への究極の対処はストップロス注文を置くしかない。

同じことは繰り返し起こりやすい。テクニカル分析とは徹底的に過去を分析し、チャートパターンの中に未来を見出す手法である。今回、筆者の紹介した手法も、当然100%当たるような手法ではない。そんなものがあったら、市場は成り立たず、それは市場の死を意味する。しかし、筆者にとって相場は、確率に賭けるゲームなのである。

標準偏差ボラティリティやエンベロープを使った売買手法については、6月末に出版する『DVD 相場で道をひらく7つの戦略 ──標準偏差ボラティリティトレード』(石原順) で解説している。興味のある方は、ぜひお買い求めください。

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日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』を参照されたい。

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