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「ドル/円はどこまで上がるのか?」
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

「ドル/円はどこまで上がるのか?」

2015/6/4
米国の早期利上げ観測の後退でドル/円の上値は重く、一方、公的資金の外債投資のドル買いで下値も限られるといった相場展開が1月から5月の半ばまで続いてきた。
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米国の早期利上げ観測の後退でドル/円の上値は重く、一方、公的資金の外債投資のドル買いで下値も限られるといった相場展開が1月から5月の半ばまで続いてきた。順張り手法が売買の主流となっている海外投機筋は、動きが小さくトレンドが発生しにくいドル/円相場に見切りをつけ、周期的に美しいトレンドが発生しているユーロ/ドル相場に軸足を移してきた。それはシカゴIMMの投機筋のポジションをみれば一目瞭然である。

ドル/円(日足) 昨年12月から今年の5月半ばまではレンジ相場が続いていた
上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

シカゴIMM 投機筋の円のポジション(CFTC発表 5月26日時点)
投機筋の円売りポジションは5月に入ってようやく増加傾向に

(出所:石原順)

ユーロ/ドル(日足) 周期的に美しいトレンドが発生しているユーロ/ドル相場
上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

シカゴIMM 投機筋のユーロのポジション(CFTC発表 5月26日時点)
中間決算月の6月はユーロの売りポジションを投機筋が手仕舞う可能性がある

(出所:石原順)

海外投機筋が円売りポジションの処分に動いたにも関わらず、ドル/円が円高トレンド相場に発展しなかったのは、膨大な投機筋の円買いを日本の公的資金が吸収してしまったからである。トレンドフォロー(順張り)の投資家からみれば、延々横這いが続いているドル/円などは取引するに値しない通貨に見えただろう。

しかし、2015年の相場で筆者が行ったドル/円の取引回数と取引量はこの10年間で最大となった。クジラ買いなどと呼ばれるPKO相場で、<逆張り取引>が有効にワークしたためである。

相場がやや円安基調のレンジ相場となった1月~3月の相場では、特に1時間足の13時間移動平均線-0.3%乖離ラインや-0.6%乖離ラインがドル/円の1時間足売買の有効な押し目買いポイントとなったが、円高基調で推移した4月から5月半ばの相場(下のチャート)でも13時間移動平均線-0.3%乖離ラインが押し目買いポイントとして有効に機能している。

4月~6月のドル/円(1時間足) 13時間移動平均線-0.3%乖離ラインが押し目買いポイント?
13時間エンベロープ±0.3%(赤)・±0.6%(緑)

(出所:石原順)

ドル/円(1時間足) 
13時間エンベロープ ±0.3%(緑)・±0.6%(黄)

(出所:楽天FX マーケットスピードFX)

ドル/円(日足)
上段:13日エンベロープ ±1%(青)・±2%(赤)・±3%(緑)
  下段:14日RSI(赤)

(出所:石原順)

ドル/円(日足)
13日エンベロープ ±1%(緑)・±2%(黄)

(出所:楽天FX マーケットスピードFX)

さて、現在のドル/円相場はこれまでのような横這いレンジ相場ではなく、日足でも週足でも買いシグナルが点灯しているトレンド相場である。21日ボリンジャーバンド+1シグマの外(上)で価格が推移しているうちは、ターゲットを決めた機械的利食いをせずにほったらかしておくのが良いだろう。そうしないと、大きなトレンドを取れないからである。

大相場は概ね1シグマのラインの外で推移するので、この手法は理にかなっている。問題はトレンドが早期に消滅しダマシにあうケースであるが、1シグマ抜けでポジションを取り、1シグマの内側に相場が入ったら手仕舞うという手法は、損切りポイントが浅く、あらかじめ損に対する慎重さが取引に組み込まれているのである。

ドル/円(日足) +1シグマの外側での取引が続いている
上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)
(相場に方向性が出てくると、標準偏差ボラティリティは上昇する。標準偏差ボラティリティが低い位置から上昇する場合は、相場が保ち合いを離れ、強い方向性をもつシグナルとなる。相場に大きなトレンドが発生する可能性のある局面は、標準偏差ボラティリティが上昇し、ボリンジャーバンドの±1シグマをブレイクしたときである)

(出所:石原順)

日足にも週足にもトレンドが出ているときは、となることが多い。ここからのドル/円が127円~128円まで上昇する大相場になるかどうかの示唆は、週足の標準偏差ボラティリティの動きに依るところが大きい。

ドル/円(週足) ここから標準偏差が大きく上がってくるか否かが焦点
上段:26週標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21週ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

筆者はドル/円日足の21日ボリンジャーバンド+1シグマの外に相場があるうちは利食いや手仕舞いをする気はない。特に円安のターゲット(目標値)も想定していないが、ドル/円が122円をこえてから「どこまで上がるのか?」という照会が多くなっている。

1990年の160円からの長期抵抗線のブレイクを仕掛けたファンド勢のターゲットは、第一目標が2014年高値124円14銭、第二目標が125円であったと言われている。ドル/円は6月2日に125円04銭まで上昇したのでファンドのターゲットにはすでに到達している。

投機筋が悔しがっているのは、ドル/円の高値125円04銭を東京市場で付けたことである。「通常、ドル/円の高値・安値はマザーマーケットで示現される。仮に125円04銭が欧米市場でつけた高値であれば、東京市場で高値を更新するまで押し目はすべて買えるのに・・」とは、ある通貨ファンドの弁だ。

ファンド運用者の多くがここからの上値ターゲットとして、125円70銭と127円50銭をあげている。これは月足のチャートを見ての判断だろう。

ドル/円(月足) ドル/円(月足)と長期抵抗線(青のライン) 160円からの長期抵抗線をブレイク 125円をクリア、次のターゲットは125円70銭レベル

(出所:石原順)

また、ある通貨ファンドの運用者は直近のレンジ幅は122.01-118.32で、3円69銭だ。この3円69銭を122円01銭に加算した125円70銭がこの相場のターゲットだと述べている。

上にも書いたように、日足の順張りは21日ボリンジャーバンド+1シグマの内側に入ってくるまではドル買いポジションを持ち続け、逆張りは1時間足の13時間エンベロープ-0.3%から-0.6%の水準で押し目買いを狙うというのが筆者のスタンスである。したがって、とくにターゲットを意識していないが、ファンド勢の多くは122円超えのレンジブレイク相場のターゲットを125円70銭から127円50銭に置いているようだ。

ドル/円(日足) 122円台は堅い・・倍返しターゲットは125円70銭?
122.01-118.32=3.69 1221.01+3.69=125.70

(出所:石原順)

日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』を参照されたい。

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