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投機筋はバブル先送りの波に乗るが、1月相場には要警戒も・・
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

投機筋はバブル先送りの波に乗るが、1月相場には要警戒も・・

2014/12/25
12月17日のFOMCからの<イエレン・ラリー>で、NYダウは大きなリバウンド相場となっている。17日のFOMC声明は「相当な期間」と「辛抱強くなれる」という文言が併記されるという玉虫色の内容であった
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現在はバブル先送りのイエレン・ラリー相場

12月17日のFOMCからの<イエレン・ラリー>で、NYダウは大きなリバウンド相場となっている。17日のFOMC声明は「相当な期間」と「辛抱強くなれる」という文言が併記されるという玉虫色の内容であった。結局、FRBの信認維持のためにアリバイ作りのような利上げをせざるを得ないが、「すぐにやるつもりはない」ということである。

イエレンFRB議長は記者会見で、「少なくとも2015年1~3月には利上げしないことを表明した。また、FRBの四半期経済予測では、2015年の利上げ実施を見込んでいる一方で、2015年以降、3年間程度の利上げペースは従来予測よりもゆっくりしたものなることが判明している。第一四半期に利上げがないということで、「10月末買い・4月末売り」という黄金の180日ルールに対する信頼が強化された。運用者の多くは「4月までは買いでいこう」と感想を漏らしている。

12月17日のFOMCはこれまでレポートで執拗に取り上げてきた「長期停滞」と「金融抑圧」のシナリオに沿ったものであり、筆者にはなんの違和感もない。FEDウォッチャーは17日のFOMC声明の「言葉の遊び」に混乱しているというが、何をウォッチしているのだろう?MIT学派のドンであるスタンレー・フィッシャーFRB副議長が、「1930年代の長期停滞が今の時代にも起きている可能性がある」と認識しているなかでの答えは、「景気がよくても、金利は上げない(大幅に引き上げない)」ということである。

米10年国債金利(日足)「長期停滞」と「金融抑圧」相場の混在

米国景気が絶好調なら、オバマの人気も金利も上がるはずだが・・

(出所:石原順)

リーマンショック後の金融当局者は、長期停滞の中で現在の異常低金利バブルをどう延命させていくかに腐心している。アベノミクスも日本経済の成長戦略を公約にしているが、実態は日銀が国債を買うという財政ファイナンスと金融抑圧政策であり、日本的な金融システムの延命であろう。レイ・ダリオが指摘する「高齢化により、国民が老後の生活のために貯蓄をとり崩せば、日本の財政赤字を解消するための能力は縮小する。国民の日本国債への需要低下に対応して、日銀による国債購入を増やす必要がある」という政策だ。

スタンレー・フィッシャーFRB副議長が「米国の潜在成長率が2%程度」と発言し、黒田日銀総裁は「日本の潜在成長率は0.5%前後」と発言している。表面上の景気回復である株高は日本も米国も継続しているが、日米とも家計所得は減少している。米国の雇用などの経済指標は改善しているが、英エコノミスト誌の報道では、「オバマ政権下の6年間でGDPは8%増加したが、家計所得は4%減少した」という。

先進国経済は日本化(ジャパナイゼーション)している可能性がある。人口減少や技術革新の頻度の低下等により貯蓄過剰となっており、低インフレ局面が長期化している。したがって、現在のFRBはゼロ金利政策の解除を焦る必要がないばかりでなく、ローレンス・サマーズは「バブルがないと経済はマイナスの自然利子率に陥ってしまう」と述べている。現在の金融システムを維持するためにはバブルが欠かせないというバブル容認論がFRBの政策の軸になっていることをよく認識する必要があろう。

今回も有効に働いたNYダウの18日エンベロープ

「景気がよくても、金利は上げない」というFRBの意図的な「ビハインド・ザ・カーブ(後手に回る)」戦略が確認されたことで、投機筋は17日のFOMCの結論はバブルの先送りであるとリスク資産の買いに動いている。

先週のレポートで、NYダウの18日エンベロープ(移動平均乖離)を取り上げたが、NYダウは18日エンベロープ(移動平均乖離)-3%水準から投機筋のカウンターの買いが出て、大きなリバウンド相場となっている。毎回この売買をおこなっている投機筋は、「18日エンベロープというテクニカルは、バブル相場の押し目買いポイントとして非常に有効だ」と語っている。

NYダウ(日足) NYダウのカウンタートレード(逆張り買い)

上段:18日エンベロープ±3%
下段:14日RSI

投機筋が注目する18日エンベロープ(移動平均乖離)-3%(赤)水準から大きく反発

(出所:石原順)

サンタクロース・ラリーへの期待感

NYダウの大幅高に連動する形で、ドル/円相場も12月23日には120円81銭まで戻すなど大きなリバウンド相場となった。だが、先週のレポートにも書いた通り、ドル/円日足の標準偏差ボラティリティは調整が進んできたが何の方向性も示唆していない。現在は117円~121円をコアレンジとする調整相場を継続しており、ドル/円は次のトレンド待ちの状況である。12月16日安値115円56銭は調整(レンジ)相場の中での逆張り(RSIやストキャスティクスの売られすぎ)ポイントであったということだ。

ドル/円(日足) 大幅高の後、ハイボラティリティの乱高下で調整中

上段:26日標準偏差ボラティリティ(青)
中段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)
下段:ストキャスティクス5.3.3

(出所:石原順)

ドル/円(日足) 今年もサンタクロース・ラリー(緑の期間)はやってくるのか?

上段:ストキャスティクス5.3.3(赤)・26日標準偏差ボラティリティ(青)
下段:21日ボリンジャーバンド±1シグマ(緑)

(出所:石原順)

ここから先は、今年もサンタクロース・ラリーへの期待感が高まっているようだ。毎年この季節になると、「サンタクロース・ラリー」が話題になる。サンタクロース・ラリーは「株式トレーダー年鑑」の編集者イエール・ハーシュが1972年に発見したアノマリーである。

「12月の最終5営業日から1月の当初2営業日までの7日間は高い」というアノマリーだが、上昇要因として米国の投資家が確定申告でキャピタル・ロスを申告するため、不採算の株式を年末に売り、年明けの新会計年度が始まると売却した資金で再投資をする傾向にあることが挙げられている。

今年のサンタクロース・ラリーの期間は12月24日から1月5日までである。ドル/円も米国株との連動性が強い相場となっており、サンタクロース・ラリーの動向が注目されている。運用者の多くは、「ドル/円が4日移動平均線をNYクローズで割り込むと、短期のドル買いトレンドは終了する可能性がある」とみているようだが、果たしてどうなるだろうか?

ドル/円(日足)と4日移動平均線(青)

120円を割り込むと短期のドル買いトレンドが終了する可能性も・・

(出所:石原順)

1月相場はトレンドが反転しやすい?

さて、もう12月相場も終わりだが、1月相場はトレンドが反転しやすいことだ。2000年以降はこの傾向が薄れつつあるが、年末まで大幅に上がり年初に急落した昨年の例もあるので、警戒は怠れないだろう。ドル/円相場は月足の60カ月移動平均線+30%乖離や、日足の200日移動平均線+10%乖離を上回る水準で推移している。上がりすぎともいえる強い相場ではあるが、何かをきっかけに調整が入ると値幅も大きくなる。ボラティリティの高い相場に対処するために、証拠金を厚めにする(レバレッジを上げない)など、ポジション管理を徹底したい。

ドル/円(月足)と1月相場 赤の点は円高転換

(出所:石原順)

ドル/円(日足)200日移動平均線±10%乖離(青)・15%乖離(赤) 限界は15%?

(出所:石原順)

日々の相場動向についてはブログ『石原順の日々の泡』を参照されたい。

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