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今中能夫「楽天証券投資Weekly」
今中 能夫
楽天証券投資weekly セクター・投資テーマ編
毎週金曜日夕方掲載。楽天証券経済研究所チーフアナリスト 今中能夫の、今週1週間の国内株式市場の情報がつまった週刊レポートです。注目セクターと投資テーマに重点を置いて、相場と銘柄を…

今中能夫「楽天証券投資Weekly」

2013/4/26
今週から「楽天証券投資Weekly」を発行します。従来お送りしてきた「信用取引評価損益率コメント」「決算発表銘柄コメント」を発展的に統合したものです。
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楽天証券経済研究所所属のアナリスト今中能夫による今週1週間の国内株式市場の情報がつまった週刊レポートです。
今後の相場の見通し、決算発表情報、個別銘柄の短期株価見通しなどを分かりやすく解説しています。

マーケットコメント

4月22日の週は強い相場

2013年4月22日の週の株式市場は、強い相場でした。日経平均は13,500円台から始まり、14,000円目前のところまできました(26日2時現在)。物色対象は、自動車、電機、電子部品、機械・造船・プラント、総合商社などの輸出・グローバル関連から、不動産、倉庫、メガバンク、大手証券などの内需・金融緩和関連まで、幅広く物色されました。

また、新興市場株の高騰が止まりません。ガンホーが前週末19日から25日までに67%上昇したほか、ユーグレナ62%上昇、タカラバイオ40%上昇と飛ばしています。また、金融株ではアイフルが19%上昇、SBIホールディングスが23%上昇しました。PER、PBRなどの指標から見ると、新興企業株や金融株、不動産株、不動産関連株の一部の銘柄に過熱感も出てきました。

一方、為替レートを見ると、対ドルでは1ドル=100円、対ユーロでは1ユーロ=130円を前に足踏みしています。この理由として市場では、1ドル=100円で解消するオプションを持つ投資家の防戦買いという見方がでています。このオプション取引は25日に失効したとみられているため、その後1ドル=100円にチャレンジする可能性があります。

ただし、1ドル=100円手前で足踏みしている理由は、それだけではないかもしれません。ECBの利下げを見込んだ動き(5月2日にECBの政策金利が発表されます)や、北朝鮮問題を意識して逃避通貨として円買いを考える投資家が出ている可能性、あるいは、円安が電力、ガス、化学や多くの中小企業にとって深刻な問題になり始めていることを受けての動きかもしれません。

例えば、今回の北朝鮮問題は前回よりも深刻で、北朝鮮のキム・ジョンウン氏が核兵器を使う可能性が全くないとは言い切れないといわれています。このため、日本を取り巻く国際情勢は以前にもまして複雑になっています。

これまで、一方向に円安だったこと、大幅金融緩和を実行することが、自動車、電機や、不動産、土地持ち企業、金融の各セクターの株高を支えてきましたが、新興市場で極端な株高が起きており、また、不動産大手や倉庫株のPERが業績だけでは説明できない水準に上昇しており、今後何年分の地価上昇を織り込むような値上がりになっていることから、過熱感もあります。あまりに過熱しすぎた株価はどこかで調整する可能性があると思われます。一部の銘柄には過熱による調整を注意しなければならなくなってきたかもしれません。

輸出・グローバル関連に投資妙味

このような中で、2013年3月期決算の発表が始まりました。今のところ、輸出・グローバル関連、例えば、電子部品、自動車などで良い決算が見られます。円安メリットもありますが、製品の競争力が強いこと、経営の采配が良いなどの要因で、2013年3月期の売上高と利益が大きく増えた会社(例えば日野自動車)や2014年3月期に大幅増益になりそうな会社(日本電産、京セラ)が見られます。一方、過去の失敗を引きずってしまっているため、なかなかうまくいかない会社もあります(任天堂)。2014年3月期の想定円レートを1ドル=90~95円程度にしている会社が多いため、今の為替レートが続くならば、上方修正期待が持てる輸出・グローバル関連の企業が多くなっています。

連休明けの株式市場が注目されますが、円安メリットが大きい輸出・グローバル関連(自動車、電機、機械、造船、プラントなど)に投資妙味があると思われます。具体的には自動車ではトヨタ自動車、富士重工業(いずれも5月8日に決算発表します。富士重工業は2013年3月期見通しを上方修正しました)、本田技研工業、デンソー、アイシン精機、日野自動車、いすゞ自動車など、電機・電子部品では、村田製作所、京セラ、日東電工、日本電産などに投資妙味がありそうです。

一方、ソニーは5月9日に決算発表があります。資産売却を加速したため2013年3月期は会社予想以上の営業利益になった模様です。このため、2014年3月期に本業だけで増益になるのは難しいかもしれません。株価は見方が分かれる可能性があります。

また、小松製作所は円安メリットが主な理由ですが、2014年3月期の営業利益が44%増になるという見通しを出しています。増益率が大きく株価が動く可能性があります。三菱重工業は円安メリットとLNG関連事業(プラントやタンカー)の商談が活発です。LNG関連事業の商談増加と円安は、千代田化工建設、日揮(両社とも5月に入って決算発表があります)にも良いインパクトとなると思われます。

表1:楽天証券投資WEEKLY

グラフ1 日経平均株価:日足

グラフ2 日経平均株価:月足

グラフ3 信用取引評価損益率と日経平均株価

グラフ4 ドル/円レート:日足

グラフ5 ユーロ/円レート:日足

マーケットスケジュール

2013年4月30日の週の日本での注目点は、4月30日公表の3月の鉱工業生産速報です。中味を注意して見たいと思います。5月2日公表の4月のマネタリーベース、日銀金融政策決定会合議事要旨(4月3、4日分)も重要です。

アメリカは、4月30日公表の4月の消費者信頼感指数です。5月1日公表のADP雇用統計、3日公表の4月の雇用統計も重要です。

欧州は、2日に欧州中央銀行(ECB)の政策金利が発表されます。利下げの可能性が言われています。

いずれも統計数値次第では株価と為替が動く可能性があります。特に、アメリカの雇用統計、ECBの政策金利に注目したいと思います。

特集:2013年3月期決算発表メモ 1

2013年3月期決算発表が始まりました。注目すべき決算に関して、簡単に報告します。

日本電産

2013/3期売上高7,092億円(前年比3.9%増)、営業利益176億円(75.9%減)、当期純利益79億円(80.4%減)、2014/3期会社予想、売上高8,000億円(12.8%増)、営業利益700億円(297.1%増)、当期純利益500億円(525.2%増)、EPS371.2円。

2013/3期は構造改革費用370億円を計上したため、大幅減益になりました。今期は構造改革費用がなくなり、構造改革の効果が出てくるため、一転して大幅増益が見込まれます。HDD関連から自動車関連への収益源の転換が今後3年程度かけて行われる模様です。実際にはHDD関連のスピンドルモータの需要がどうなるか、SSDにHDD需要が喰われることはないのか、今期に入ってからの動きを見る必要はありますが、とりあえずは業績と株価をポジティブに見てよいと思われます。

任天堂

2013/3期売上高6,354億円(前年比1.9%減)、営業損失364億円(前年も赤字)、当期純利益70億円(黒字転換)、2014/3期会社予想、売上高9,200億円(44.8%増、営業利益1,000億円(黒字転換)、当期純利益550億円(674.7%増)、EPS430.1円。

2013/3期は会社予想よりも営業赤字が拡大しました。Wii Uの売れ行き不振のほか、ドル売上高に対してドル仕入高が大きくなり、円安が営業赤字拡大の要因になったと思われます。ドル売上高が振るわなかったのは、海外でハード、ソフトが予想通りに売れなかったため、ドル仕入高が大きくなったのは、Wii Uハードウェアの生産を海外で委託生産しているためです。ただし手持ちの外貨建て預金の評価額が円安で上昇したため、為替差益が発生し、当期純利益は黒字になりました。

2014/3期は、3DS用ソフトの好調を会社側は予想しています。3DS用ソフト販売本数は会社予想では、2013/3期4,961万本から2014/3期8,000万本に拡大する見通しであり、優良ソフトのラインナップも揃う予定です。例えば、10月に「ポケットモンスターX、Y」を日米欧で発売します。これで1,000~1,500万本売れると思われますが、それ以外の3DS用ソフトとWii Uハード、ソフトの売れ行きが会社の目論み通りになるかどうか、不透明感があります。

また、Wii Uのハード、ソフト販売予想(会社予想)は、ハード900万台(2013/3期345万台)、ソフト3,800万本(同1342万本)ですが、ハードルが高いと言わざるを得ません。前提レートは、1ドル=90円、1ユーロ=120円ですが、北米で3DSとWii Uが会社予想通りに売れないと円安メリットはでません。業績と株価に対しては慎重に考える必要がありそうです。

小松製作所

2013/3期売上高1兆8,849億円(前年比4.9%減)、営業利益2,116億円(17.5%減)、当期純利益1,263億円(24.4%減)、2014/3期会社予想、売上高2兆500億円(前年比8.8%増)、営業利益3,050億円(44.1%増)、当期純利益1,840億円(45.7%増)、EPS193.1円。

2013/3期は、日本、北米、中南米向け建機と、中南米、オセアニア向け鉱山機械が順調に伸びましたが、中国向け建機とインドネシア向け鉱山機械が不振で減益となりました。ただし2014/3期は、中国向けが春節以降前年並みに回復しています。インドネシア向け鉱山機械の回復は送れそうですが、日本向け建機が復興需要で堅調、北米、中南米、オセアニア向けの建機、鉱山機械は好調です。

また、1ドル1円の円安で56億円の円安メリットが発生します。前提レートは2013/3期1ドル=82.5ドル、2014/3期1ドル=95ドルです。会社側によれば、2014/3期の営業増益930億円に中で700億円分が円安によるものです。

小松製作所は今も中国関連銘柄と見なされていますが、実際には中国比率は低下しています。建機、鉱山機械でグローバル展開していることを、株価と合わせて、改めて前向きに評価してよいと思われます。

日野自動車

2013/3期売上高1兆5,413億円(17.3%増)、営業利益651億円(73.5%増)、当期純利益476億円(192.5%増)、2014/3期会社予想、売上高1兆6,200億円(5.1%増)、営業利益850億円(30.5%増)、当期純利益600億円(25.8%増)、EPS105.0円。

日本と海外、特にアジアで商用車(中小型トラック、大型トラック)が好調です。日本は復興需要と更新需要、海外は、好景気に伴う輸送需要の増加や、建設需要の増加の恩恵を受けています。為替感応度は、1ドル1円の円安で15億円の円安メリットが発生します。会社前提レートは1ドル=90円なので、上方修正余地がありますが、会社側は円安メリットを単に収益に出すだけでなく、拡販や代理店網充実のための原資に使う方針です。

業績にはネガティブな面もあり、円安で輸入原材料コストが上昇しています。これを販売増加、コストダウン、円安メリットで吸収し大幅増益を実現しました。

今期の日本での販売台数を2.1%増と控えめに見ているため、この面でも上方修正余地がありそうです。業績と株価をポジティブに考えたいと思います。

表2:主要企業の2013年3月期決算発表予定日

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