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年金と名前のつく商品を使わない老後資金準備
山崎 俊輔
なんとなくから卒業!実践・資産形成術
誰にとっても重要で大切な「年金」と「老後資金準備」について、「漠然とした不安」から卒業しよう! これからの人生のマネープランを、主体的にかつ前向きに組み立てるためのヒントを、ファ…

年金と名前のつく商品を使わない老後資金準備

2011/9/14
誰にとっても重要で大切な「年金」と「老後資金準備」について、「漠然とした不安」から卒業しよう! これからの人生のマネープランを、主体的にかつ前向きに組み立てるためのヒントを、ファイナンシャル・プランナーであり年金の専門家である山崎俊輔氏がやさしく解説していきます。
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リタイアまでに貯めたお金はすべて老後資金になる

老後資金準備について、発想の転換をしてほしい項目がひとつあります。
それは「○○年金××」というような金融商品からの脱却です。

講演の際によく話をするのですが、「○○年金保険」によらずとも、老後の資金準備は可能だと言うと、多くの人が「えっ?」と不思議な顔をします。
極端な例え話をすれば、部屋に絵画が掛かっており、その裏にへそくりを1万円隠したとします。利息もつきませんし、インフレ時にはどんどん目減りすることになる資金管理ですが、60歳まで持ち越すことができ、開封されれば、それは立派な老後資金1万円になるわけです。

つまり、老後資金というのは、セカンドライフに入るまでに残しておけた資産のことを意味しているわけで、「○○年金××」という金融商品に頼らなくてもいいわけです。
老後資金の貯めかたに「年金」という名のつく商品を買う必要はありません。投資信託や株式でもかまいませんし、定期預金でもいいわけです。

そう考えると、老後資産形成の自由度はぐんと広がります。あらゆる金融商品が対象となりますし、解約の自由度がある商品も選択肢として組み入れることができます(個人年金保険などは、解約時の一定の制約、手数料が生じる)。

「年金」性のある金融商品のメリット・デメリットも確認

「年金」性のある金融商品のメリット・デメリットもありますので、運用管理の観点からいくつかポイントを確認をしておきましょう。

「年金」と名のつく金融商品は、文字通り「年金」払いをしてくれることにそのメリットがあります。年金というのは、定期的に一定期間の支払いをしてくれる仕組みのことです。老後の生活を考えると、「計画的に取り崩す」ということが実は難問だったりします。なんとなくATMで数万円ずつ引き出すようでは、気づけば残高がなくなる、という恐れがあるわけです。その意味で、「年金○○」は便利です。
ただし、60歳時点で一時払いで年金商品を買うことは可能なので、準備期間に年金払いが可能な商品にこだわる必要はありません。

また、年金といっても国の年金のように終身給付してくれる商品ばかりとは限りません。もらう側としては終身年金のほうがいいのですが、払う側(生命保険会社)は長生きのリスクを負うため、リスクがあるからです。そのため、払う側が損をしない条件設定をします(ビジネスなので当然のことです)。たとえば、平均寿命より長生きしなければ元が取れないとか、早くに亡くなられた場合は元本割れするといったことが起こりえます。
こうした条件設定は平均寿命の変化や金利動向によって変わってきます。高金利のときは、数十年間の金利収入を見込むことで短期で元本回収できる年金になることもあります(普通に運用した場合も高金利が得られるので、年金商品が得とは一概にはいえない)。

年金保険の特徴として保険機能もありますが、同時にそのための手数料も要します。株式を購入・保有・売却するように簡単な手数料体系ではありませんので、その条件については商品ごとによく調べる必要があります。かなりの手数料を引かれる場合もあります。株式取引をして手数料にこだわる読者の皆さんにとっては「高い!」と感じられることもあるでしょう。解約時の制約についてもチェックが必要です。

ただし、民間の金融商品ではなく、公的な年金制度で自助努力で活用できるようなものは、税制上の優遇がプラスされていることもあり、検討をしてみる価値が大いにあります。
例えば個人型の確定拠出年金は、自営業者や企業年金のない会社員が加入できますが、積立金は全額所得控除(非課税)、運用益も非課税とかなり有利に資産形成ができます。原則60歳まで解約できないなど、メリットに応じた制約も課せられていますので利用にあたっては注意が必要です。

証券口座で老後資産形成をする際のポイント

それでは、老後の資産形成を年金商品に頼らず、証券口座で進めていく場合の具体的注意点をいくつか指摘します。

まず、損失が大きくなる性質を持つ商品については運用管理の注意が必要です。具体的にはレバレッジをかけるタイプの商品(信用取引、FX、CFD)、先物・オプションを扱う商品などです。これらについては、商品の仕組み上、損失が生じたときに全損も含めて大きなリスクを抱えています。老後資産形成については資産をすべて失う状態を避けなければなりません。老後資産形成には活用しない、という選択肢もありますし、もしこうした商品を組み入れる場合は、小まめな資金管理を行うとともに、資産の一部に運用範囲をとどめておくことが有効でしょう。

また、できれば取り崩さない口座とすることが、老後資産形成の枠としては有効です。運用益が生じると、つい出金して消費してしまうことは誰でもあると思いますが、老後資産形成についてはその運用益を再投資しさらに殖やしていくことが重要です。例えば「楽天証券の口座は老後資金準備用なので、入金はするけど出金はしない」と決めておくと確実な老後資産形成になります。証券口座は出金に一手間かかることが、逆に取り崩しを防ぐ抑止力となると思います。ぜひ資産を崩さないようにしてください。

そして、できる限り、追加入金を行ってください。年金性のある金融商品(一時払いを除く)については定期的な掛金や保険料をコツコツ入金して老後の資産形成を行っています。つい資産運用というとキャピタルゲインの最大化ばかり考えてしまいますが、追加元本の入金は会社員が働きながら資産形成を行うための有力な手段です(これも「運用」のひとつです)。証券口座においても積立投資信託を活用したり、自ら定期的に入金(毎月の給与振込後あるいはボーナス入金後など)して「元本を増やす」という意識も持っておくといいでしょう。

老後の年金資金を株や投資信託で作る「発想転換」を

年金性のある金融商品の多くは、自由な運用選択肢がないか、変額年金保険などの中で限られた投資信託しか選べません。
老後の資産形成を、普通に株や投資信託で行ってもいい、と発想転換すれば、選択肢は大きく広がってきます。少なくとも「今やっている株式投資も老後資産形成につながるんだ」とわかるだけで、ずいぶん運用に対するスタンスが変わってくるのではないでしょうか。

最初に指摘したとおり、「リタイア生活に入った時、手元にある資産はすべて老後資産に変わる」わけです。老後にどのように取り崩そうがそれは自由です(もちろん運用を継続することもできる)。年金商品にだけ、老後資金準備というフィールドを明け渡す必要はありません。

今取り組んでいる投資の技術や経験も、すべて老後資産形成に活用していくことができます。ぜひ老後資産形成にも目を向けてみてください。

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