最高値を更新してきた米S&P500とNASDAQ
続いて、先週の米国株市場の動きについても見て行きます。
冒頭でも触れましたが、先週のS&P500とNASDAQは、米国の利下げ観測の高まりによって、最高値を更新する場面を見せています(下の図3~図5)。
図3 米NYダウ(日足)とMACDの動き(2024年6月7日時点)
図4 米S&P500(日足)とMACDの動き(2024年6月7日時点)
図5 米NASDAQ(日足)とMACDの動き(2024年6月7日時点)
こうした、米利下げ観測の温度感で株価が上下する展開は今週も続きそうです。
図3から図5の米株価3指数(ダウ工業株30種平均・S&P500・NASDAQ)のチャートを見ると、いずれも週末7日(金)のローソク足が上ヒゲの長い線となっています。上ヒゲは「高値をとりに行ったが、押し戻されてしまった」状況を表しています。
この日に公表された米雇用統計(5月)が、利下げ期待を後退させる結果(非農業部門雇用者数や平均時給の予想以上の伸びや失業率の上昇など)だったことが、その背景として挙げられます。実際に、米雇用統計の結果を受けた7日(金)の米10年債利回りは、前日の4.2%台から4.4%台へと上昇しました(下の図6)。
図6 米10年債利回り(日足)の動き(2024年6月7日時点)
もっとも、米雇用統計の結果が、仮に利下げ期待自体を覆すほどの内容だったのであれば、米10年債利回りがさらに上昇し、株価も大きく下落したと考えられるため、今回の米雇用統計の結果は、「まだ一応、利下げ観測は維持できる範囲内の内容」だったと言えます。