日経平均の本格上昇は来年1月~5月か

 さらに、その先の「春」の時期についても見ていきましょう。

「冬(後半)」から「春」に移るタイミングは、「日経平均 来期・再来期調整予想EPS(1株当たり利益)4週前比がプラス、かつ、前年比増減率のボトム(予想)の4カ月前以降」と定義づけをしています。

 現時点で「春」になる時期を推測する上では、「前年比増減率のボトム(予想)の4カ月前以降」がいつになるのかが鍵を握っていて、「日経平均 来期・再来期調整予想EPS 前年比増減率」を見てみると、次のようになっています。

(グラフ2)日経平均株価と企業業績(前年比増減率)の関係(1)

出所:日経平均株価は日本経済新聞社の公表データを基に作成。日経平均予想EPSはIFIS提供データを基に、景気循環はマネーブレインが独自分析し作成

「日経平均 来期・再来期調整予想EPS 前年比増減率」のボトムを予想すると、アナリスト予想において上方修正も下方修正もどちらもなければ、来年5月第1週となっていて、その「4カ月前以降」というと、来年1月第1週以降ということになります。

 また、過去、2016年、2019年において、「冬(後半)」から「春」になるタイミングがどのような時だったかを見ると、前年比増減率のボトムとほぼ重なっていることが見て取れます。

 このことから、「春」になる時期は、来年1月から5月までのどこかで来そうだと推測できるということになります。

 ただ、この推測において、基となっている「日経平均 来期・再来期調整予想EPS」の値は、アナリスト予想における上方修正、下方修正の状況によって変化するので、それによっては、「春」の時期が大きく変わってくる可能性もあります。

 あくまでも、修正がなかった場合との条件が付きますが、現時点においては、「冬(後半)」は7月下旬、「春」は来年1月から5月までのどこかということになります。

 では、これを前提として、日経平均の今後の動向を考察してみましょう。

 グラフ2で示した「日経平均 来期・再来期調整予想EPS 前年比増減率」において、ボトムではなく、ピークのほうに注目すると、次のようになっています。

(グラフ3)日経平均株価と企業業績(前年比増減率)の関係(2)

出所:日経平均株価は日本経済新聞社の公表データを基に作成。日経平均予想EPSはIFIS提供データを基に、景気循環はマネーブレインが独自分析し作成

 グラフ3から、前年比増減率がピークを越えて右肩下がりになってくると、日経平均は少なくとも上がりにくくなっていることが見て取れます。

 では、次の前年比増減率のピークがいつになるのかというと、アナリスト予想における上方修正、下方修正いずれもなければ、6月第1週に現れる形となっているので、今後においては、少なくとも日経平均は上がりにくくなることが想定されます。

 では、日経平均が本格的に上昇してくるのはいつになるのかですが、景気循環の観点からは、本格上昇するのは「春」「夏」の時期であり、次に「春」が来るのは来年1月~5月と推測されます。

 実際には、アナリスト予想において上方修正が多く出てくれば、6月第1週のピーク予想が後ずれし、日経平均が上昇していくことも考えられます。逆に、過去には来ていた「冬(前半)」の下落局面が今回は明確に来ていないので、下方修正が多く出てくることによって、これまで「冬(前半)」に来ていたような局面が、このあとの「冬(後半)」に来ることも考えられます。

 このように、アナリスト予想次第ではありますが、それは今後のアナリスト予想の変化に応じて見方も修正していくとして、投資をする上で、大まかなイメージを常に持っておくのはよいことではないかと考えています。

 投資はあくまでも自己責任で。