裁定買い残高に表れる、投機筋の動き

 先週は、円安が続く思惑で、日経平均先物を買い建てしていた投機筋が、一部、先物売りに動いた可能性があります。

 以下参考まで、裁定買い残の推移をご覧ください。詳しい説明は割愛しますが、投機筋の日経平均先物買いが増えると裁定買い残が増え、投機筋の先物売りが増えると裁定買い残が減ります。今年に入ってから投機筋の先物買いが増えていることが分かります。

日経平均と、裁定買い残高の推移:2021年7月1日~2024年3月8日(裁定買い残高は3月1日まで)

出所:QUICKより楽天証券経済研究所が作成

日本株保有が多ければ利益確定売りも

 日本株の保有が多い投資家は、少し売ってみていいと思います。先週、日銀のマイナス金利解除の思惑が出たために日経平均は下落しましたが、金利上昇でメリットを受ける銀行株は逆行高しました。たくさん保有していれば少しだけ利益確定してもいいと思います。

 ただ、売り過ぎないように注意が必要です。短期的に日本株が調整に入る可能性があるものの、日本株は割安で、長期的にはさらなる上値余地が大きいと考えているからです。

 なお、積み立てで日本株に投資をしている方は、短期的な売買は不要と思います。引き続き、淡々と積み立てを続けていくべきと思います。

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