イオンの投資判断は「買い」

 イオンは、総合小売業の勝ち組として成長していくビジネスモデルを完成させたと考えており、投資判断「買い」を継続します。

 1月12日、イオンは、第3四半期まで(2023年3~11月の9カ月)の決算を発表しました。営業利益は前年同期比26.8%増の1,428億円で、第3四半期までの営業利益で最高益を更新しました。

 決算発表と同時に、今期(2024年2月期)通期の営業利益(会社予想)を2,200億円から2,400億円に上方修正しました。コロナ前の営業最高益(2020年2月期2,155億円)を超える見込みです。

 コロナからの回復が本格化するタイミングで、収益力・競争力強化の構造改革が効果を発揮してきたことが、最高益につながっています。特に、プライベートブランド品の販売拡大によって、商品競争力を強化しつつ、粗利(売上総利益率)を改善している効果が出ています。

 イオンの売上高・営業利益・純利益のコロナ前(2019年2月期)から現在までご覧ください。

イオンの連結売上高・営業利益・純利益推移:2019年2月期~2024年2月期(会社予想)

出所:同社決算資料より楽天証券経済研究所が作成

 イオンは、総合小売業として高い競争力を持ち、コロナ前から営業最高益を更新していました。コロナ禍で2021年2月期の純利益は赤字になりましたが、今期はまた営業最高益を更新する見込みです。

 今期(2024年2月期)はリオープン(経済再開)が進み、内外ともに売上が拡大しています。人件費が上昇してコスト負担が重くなっていますが、プライベートブランド品の拡大や値上げで粗利を改善しました。電気代の上昇が昨年まで利益圧迫要因でしたが、今期は前期比ではピークアウトしてきていて、それも業績予想を上方修正する要因になっています。