「ダウの犬」を日本株に応用

 この方法は、日本株にも応用可能です。当時のNYダウはニューヨーク証券取引所に上場する時価総額の大きい30銘柄から構成されていました。日本でいえば、東証の時価総額上位30銘柄を選べば良いことになります。

「コア30」といわれる指数が、それに該当します。コア30に入る30銘柄から、配当利回りの高い10銘柄を選べば、「ダウの犬」と同様の戦略を採ることができます。

 12月25日時点で、上記の方法でコア30から選んだ配当利回り上位10銘柄は、以下の通りです。この10銘柄でポートフォリオを組めば、ダウの犬とほぼ同じ戦略を採ったことになります。

東証「コア30」採用銘柄のうち、予想配当利回り上位10社:2023年12月25日時点

コード 銘柄名 業種 配当
利回り
株価
:円
12月25日
1株
当たり
配当金
:円
9434 ソフトバンク 通信 5.0% 1,720.5 86
4502 武田薬品工業 医薬品 4.7% 4,021.0 188
8411 みずほFG 銀行 4.2% 2,361.5 100
4503 アステラス製薬 医薬品 4.2% 1,671.5 70
7267 ホンダ 自動車 4.0% 1,446.5 58
8316 三井住友FG 銀行 4.0% 6,794.0 270
8766 東京海上HD 保険 3.5% 3,470.0 121
8306 三菱UFJ FG 銀行 3.4% 1,207.0 41
8031 三井物産 商社 3.3% 5,212.0 170
9433 KDDI 通信 3.2% 4,425.0 140
出所:配当利回りは、1株当たり年間配当金(2024年3月期会社予想)を2023年12月25日の株価終値で割って算出
注:ホンダの1株当たり配当金は9月30日付で1株→3株の株式分割を行ったことを考慮して修正
利益相反関係に関する告知:楽天証券株式会社はみずほフィナンシャルグループ(みずほFG)の子会社であるみずほ証券に出資(49%)を受けています

新NISAで長期投資、手作り高配当株ファンド

 それでは、利回り上位10銘柄を使って、実際にポートフォリオを組んでみましょう。10銘柄それぞれに、同じ金額で投資するのが「ダウの犬」戦略です。

 完全に同じ金額にはできませんが、なるべく等しい金額になるように作ったのが、以下のポートフォリオです。全体の金額は約4万7,000円です。このポートフォリオの平均配当利回りは4%です(実際に買い付ける場合にかかるスプレッドを考慮しないベース)。

東証コア30銘柄から作った「ダウの犬」ポートフォリオ(平均配当利回り4%)

出所:楽天証券経済研究所が作成 利益相反関係に関する告知:楽天証券株式会社はみずほフィナンシャルグループ(みずほFG)の子会社である、みずほ証券から出資(49%)を受けています。配当利回りの合計は投資比率に応じて加重平均したものです。

 上記ポートフォリオの構成銘柄は、業種別に並べ替えてあります。景気敏感株は赤色で、景気変動の影響が相対的に小さいディフェンシブ株は水色で表記しています。ディフェンシブ80%、景気敏感20%で良いバランスに出来上がっています。

 新NISAの成長投資枠で上記ポートフォリオを組み、長期投資していくことが資産形成に寄与すると考えます。