新NISA「成長投資枠」で「高配当利回り株」に投資
今日は、2024年1月から始まる新NISA(ニーサ:少額投資非課税制度)の「成長投資枠」を使って、日本株の個別銘柄に投資するアイデアについてご説明します。成長投資枠というと、成長株に投資しなければならないのかと勘違いされそうですが、そんなことはありません。成長投資枠を使って高配当利回り株に長期投資することは良い戦略だと思います。
具体的には、日本株を1株単位から売買できる楽天証券の「かぶミニ」(単元未満株取引)を使って、手作り「高配当利回り株ファンド」で長期投資する方法を取り上げます。
日本株を1株単位で売買できます
楽天証券の「かぶミニ」を使うと、日本株を1株単位で売買できます。対象銘柄は、執筆時点で東京証券取引所に上場している1,602銘柄です。
日本株は通常100株からしか買えません。そのため株価1,000円で買える銘柄ならば、最低でも10万円(1,000円×100株)がないと投資できません。ただし、楽天証券のかぶミニを使うと、1株1,000円から売買が可能です。
1株保有しているだけでも、株数に応じて配当金を受け取ることもできます。少額でいろいろな高配当利回り株に分散投資することができます。新NISAの成長投資枠で投資することもできます。
詳しくは、以下を参照してください。
今日は、みなさまにかぶミニを使った、手作り「高配当利回り株ファンド」の作り方を解説します。米国で有名になった「ダウの犬」戦略を日本株に応用します。
●「ダウの犬」戦略とは
米国で有名になったことのある投資手法です。投資方法は極めてシンプルです。
【1】ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均(NYダウ)に採用されている30銘柄を配当利回りの高い順に並べ、上位10銘柄を選びます。その10銘柄に同じ金額ずつ投資します。
【2】1年後に、もう一度NYダウ採用の配当利回り上位10銘柄をスクリーニングします。1年前に投資した銘柄で、上位10銘柄から外れたものを売却し、代わりに新規に上位10位に入った銘柄を買います。
【3】1年ごとに、上記の方法でリバランス(銘柄入れ替え)を続けます。
これだけです。このシンプルな投資方法で、NYダウを上回るパフォーマンスをあげられることが多かったので、ダウの犬戦略は有名になりました。
「ダウの犬」を日本株に応用
この方法は、日本株にも応用可能です。当時のNYダウはニューヨーク証券取引所に上場する時価総額の大きい30銘柄から構成されていました。日本でいえば、東証の時価総額上位30銘柄を選べば良いことになります。
「コア30」といわれる指数が、それに該当します。コア30に入る30銘柄から、配当利回りの高い10銘柄を選べば、「ダウの犬」と同様の戦略を採ることができます。
12月25日時点で、上記の方法でコア30から選んだ配当利回り上位10銘柄は、以下の通りです。この10銘柄でポートフォリオを組めば、ダウの犬とほぼ同じ戦略を採ったことになります。
東証「コア30」採用銘柄のうち、予想配当利回り上位10社:2023年12月25日時点
コード | 銘柄名 | 業種 | 配当 利回り |
株価 :円 12月25日 |
1株 当たり 配当金 :円 |
---|---|---|---|---|---|
9434 | ソフトバンク | 通信 | 5.0% | 1,720.5 | 86 |
4502 | 武田薬品工業 | 医薬品 | 4.7% | 4,021.0 | 188 |
8411 | みずほFG | 銀行 | 4.2% | 2,361.5 | 100 |
4503 | アステラス製薬 | 医薬品 | 4.2% | 1,671.5 | 70 |
7267 | ホンダ | 自動車 | 4.0% | 1,446.5 | 58 |
8316 | 三井住友FG | 銀行 | 4.0% | 6,794.0 | 270 |
8766 | 東京海上HD | 保険 | 3.5% | 3,470.0 | 121 |
8306 | 三菱UFJ FG | 銀行 | 3.4% | 1,207.0 | 41 |
8031 | 三井物産 | 商社 | 3.3% | 5,212.0 | 170 |
9433 | KDDI | 通信 | 3.2% | 4,425.0 | 140 |
出所:配当利回りは、1株当たり年間配当金(2024年3月期会社予想)を2023年12月25日の株価終値で割って算出 注:ホンダの1株当たり配当金は9月30日付で1株→3株の株式分割を行ったことを考慮して修正 利益相反関係に関する告知:楽天証券株式会社はみずほフィナンシャルグループ(みずほFG)の子会社であるみずほ証券に出資(49%)を受けています |
新NISAで長期投資、手作り高配当株ファンド
それでは、利回り上位10銘柄を使って、実際にポートフォリオを組んでみましょう。10銘柄それぞれに、同じ金額で投資するのが「ダウの犬」戦略です。
完全に同じ金額にはできませんが、なるべく等しい金額になるように作ったのが、以下のポートフォリオです。全体の金額は約4万7,000円です。このポートフォリオの平均配当利回りは4%です(実際に買い付ける場合にかかるスプレッドを考慮しないベース)。
東証コア30銘柄から作った「ダウの犬」ポートフォリオ(平均配当利回り4%)
上記ポートフォリオの構成銘柄は、業種別に並べ替えてあります。景気敏感株は赤色で、景気変動の影響が相対的に小さいディフェンシブ株は水色で表記しています。ディフェンシブ80%、景気敏感20%で良いバランスに出来上がっています。
新NISAの成長投資枠で上記ポートフォリオを組み、長期投資していくことが資産形成に寄与すると考えます。
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