今日のレンジ予測

[本日のドル/円]

上値メドは146.75

 ↓下値メドは145.55 

日銀:12月に政策見直し、来年5月に反映か
日本株:日経平均は年初来22%上昇。過去30年間でこれより上昇したのは、2013年の56%、2005年の40%、1999年の36%だけ。
自動車産業:世界的な在庫余剰が問題に。生産7%増に対し、需要は5%増にとどまる
ドル:ドル高、新興国の受ける影響は先進国の3倍 
トルコ:燃料税を2倍に引き上げ。インフレ再燃のおそれも 

市況

 今週のドル/円は、年初来高値を更新しながら、一時147円台まで円安が進んだ。ドル買い需要はまだ健在だが、高値警戒ムードが漂うなかで明日の重要イベントや米国の休日を控えて、マーケットはポジションを調整するきっかけを求めているようだ。

 2023年173営業日目のドル/円は、前日比「円安」。24時間の値幅は0.99円。 

 8月30日(水曜)は145.89円からスタート。東京市場は前日の流れを引き継ぎドル買いが優勢で、146円台を回復すると東京時間夕方には146.54円まで上昇して高値をつけた。145円台半ばのドル買い需要が支えたほか、月末のドル需要や堅調な株式市場もドル高/円安をサポートした。明日の米雇用統計を控えて、積極的なドル買いは控えられた。

 しかしNY市場では再びドル売りが強まった。夜遅くには146円を下に抜け145.55円まで下落して安値をつけた。この日発表された8月ADP全国雇用者数は市場予想を下回る17.7万人で、民間部門の雇用の減速を示した。米国の4-6月期GDP(国内総生産:改定値)も予想を下回る2.1%にとどまった。これらの指標は、経済データ重視にFRB(米連邦準備制度理事会)に9月利上げの必要を減じさせる要因と受け止められた。終値は146.25円(前日比+0.37円)。

レジスタンス:
146.54円(08/30)
147.37円(08/29)
147.57円(22/11/07)

サポート:
145.90円(200時間移動平均)
145.55円(08/30)
144.60円(08/24)
144.53円(08/23)

出所:MarketSpeed FXより、楽天証券作成

 先週行われたジャクソンホール会議でFRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長は、追加利上げの可能性を示した一方で、日銀の植田総裁が緩和政策継続の正当性を主張した。日米金利差の拡大が改めて意識されるなかで円安リスクがくすぶっている。

 今週発表された、米国雇用関連のデータのJOLTS(雇用動態調査)求人件数は予想を下回った。また8月ADP雇用データは+17.7万人と、前回発表値 +32.4万人から大幅に減少した。これらの指標は、2年間にわたる熱狂的な採用拡大ブームが終わりを迎え、雇用市場が新型コロナ前の状態に戻りつつあることを示している。

 明日発表の9月米雇用統計の詳しい予想については「強い雇用統計が「9月FRB利上げ」の引き金に?ドル/円150円台突入リスク高まる 8月米雇用統計 詳細レポート」をお読みください。

 一方で高金利が理由で米国の景気見通しは悪化している。米国の消費者信頼感指数は、消費者の支出意欲の悪化を示す結果となった。パウエルFRB議長は、今後の利上げ判断については「経済データを重視する」方針だと言明しているため、経済データの軟化が9月の利上げ確率が後退させるなかでドルの上値を抑えた。

 もっともドルには悪材料でも株式市場にとっては「悪いニュースは、良いニュース」で、NY株式市場は大幅高となった。

主要指標 終値

出所:楽天証券作成