日本のインフレはほとんど「輸入インフレ」、国内にインフレ要因はあまりない

 それでは、来年後半に日本のインフレ(消費者物価指数の前年比上昇率)が1.6%まで低下すると予測する根拠をお話しします。

「日本のインフレはほとんどが輸入インフレ」「国内にインフレ要因はほとんどない」ことが、その根拠です。まず、それをデータで見てください。

日本のインフレ率:2022年10月時点

出所:総務省統計局

 日本は、製造業の輸出競争力が強く、長年にわたり貿易黒字を稼いできました。ところが、エネルギー・食料品の自給率が低いため、その国際市況高騰の影響でインフレ率が上昇しています。

 さらに円安が加速したことが、ドル建ての輸入品の価格をさらに押し上げました。このように、輸入品の価格上昇(輸入インフレ)が日本のインフレの主因です。

 それが、上記のコアコア・インフレ率によく表れています。10月時点で総合インフレ率は3.7%まで上がっていますが、生鮮食料品およびエネルギー価格上昇の影響を除くインフレ率は2.5%です。

 コアコアの上昇2.5%の中身をさらによく見ると、輸入原材料の価格上昇による値上げがほとんどということがわかります。国産の食材も、化学肥料や飼料の値上がりの影響で値上がりしています。

 こうした輸入インフレの影響を除けば、国内にはインフレ要因はほとんどないと考えられます。