米国の行き過ぎたインフレは株にマイナス

 インフレは、景気や株価にプラスでしょうか、マイナスでしょうか? 一言で言えば、「適度なインフレはプラスだが、過度なインフレはマイナス」です。今年は、世界中で深刻なインフレが起こり、インフレが世界経済にとって重大なリスクとして意識されています。

 国のインフレ率(CPI総合指数の前年比上昇率)は6月に9.1%まで上昇し、米国の中央銀行に当たるFRB(連邦準備制度理事会)がターゲットとしている2%を大幅に超過しました。その後ピークアウトしているものの11月時点でなお7.1%と高水準です。

 行き過ぎたインフレを鎮静化させるために、FRBはかつてない急激な金融引き締めを続けていますが、まだインフレを抑えるのに十分な効果を発揮していません。米景気が、インフレと金利上昇によってリセッション(景気後退)に陥る懸念が出ています。

米国のインフレ率(消費者物価総合指数の前年比上昇率)年次推移:1980~2022年(11月)

出所:ブルームバーグより楽天証券作成