お金と投資をもっと身近に
facebook twitter
ユーロ/ドルは21日移動平均線の攻防、ドル/円は時を待つ
石原 順
外為市場アウトルック
リーマンショックの影響による景気回復に向けた歳出の増大が、世界中で財政赤字の拡大を招いた。政治家は財政再建をしなければならず、その結果、景気対策は中央銀行に押し付けられることにな…

ユーロ/ドルは21日移動平均線の攻防、ドル/円は時を待つ

2012/1/19
数社の海外ファンドの運用を担当する現役ファンドマネージャーとして活躍する石原順氏による外国為替市場レポート「外為市場アウトルック」。お客様の投資のヒントにお役立てください。
facebook twitter 印刷する

利下げサイクルでユーロは売り

ユーロ危機は今年で3年目に入ったが、ユーロが「売る通貨」になったのは昨年の9月からである。トリシェ前ECB総裁が利上げ打ち止め示唆をした2011年9月からユーロは基本的に売りトレンドが継続している。マリオ・ドラギがECB総裁に就任した2011年11月からはユーロ売りトレンドがより明確になっている。2011年11月、12月に利下げが行われたが、2012年2月、3月にも利下げが噂されており、金利面からのユーロ売り基調は当面持続されるだろう。

ユーロ/ドル(日足) 昨年9月からユーロは売り通貨になった


(出所:石原順)

量的緩和でユーロは売り

12月21日にECBが行ったLTRO(longer-term refinancing operations)3年物の資金供給オペは、市場予測を大きく上回る523行のユーロ圏銀行が4,891億9,100万ユーロを借り入れる結果となった。これによって、ECBのバランスシートは過去最大の2兆7,300億ユーロとなった。量的緩和政策は通貨安を促すが、2月末に再びLTROが予定されている。マネーの量が増えるので、ユーロは売り通貨である。

ECBのポートフォリオ(資産サイド) 単位:EUR/Billion

ECBのポートフォリオが2兆7,300億ユーロに急増


(出所:石原順)

上記の2つの理由でユーロの中・長期トレンドは売りとなるが、昨日はユーロが大きく買い戻られた。ファンド勢が「ユーロキャリー取引の巻き戻し」(ユーロの買い戻し)に動いたからだ。「IMFが5千億ドルの融資枠拡大を提案する見通し」「ギリシャ債務削減交渉が合意に近づいた」など、ニュースのヘッドラインがユーロの買い戻しを加速させたようだが、これらのニュースの中身をよく吟味すると持続的にユーロが買われるような内容ではない。要するに単なるファンドの買い戻し相場である。

現在、金融機関から多くのユーロ売り推奨レポートが出ている。その内容だが、ユーロ売りを狙っている投機筋のターゲットは概ね1.26~1.22となっている。一方、ストップは概ね1.3~1.31の水準だ。大きな構造で言うと、現在のユーロ相場はそういった欲望と恐怖のゲームとなっている。

目先の焦点はユーロ/ドルの13-21日移動平均バンドの攻防だ。特にユーロ売りの急所となっている21日移動平均線を越えてくるのか否か、注目の攻防戦が現在展開されている。

ユーロ/ドル(日足) 13-21移動平均バンド(水色)

投機筋のターゲットとストップ・ポイント


(出所:石原順)

ユーロ/円(日足) 13-21移動平均バンド(水色)


(出所:石原順)

ユーロ豪ドル日足(左)とユーロ/ニュージランド(右)の13-21日移動平均バンド


(出所:石原順)

長期抵抗線の攻防で週足トレンドラインの上抜けに失敗したドル/円相場は、トレンドラインに跳ね返されて円高となっている。ただし、75円では介入が噂されており、投機筋は「また多額の介入をやられるとたまらん」ということで円買いも止めている。

ドル/円月足(左)とドル/円週足(右)の長期抵抗線

週足はトレンドライン上抜けに失敗


(出所:石原順)

以下のチャートはドル/円相場の変動相場制以降のチャートだが、過去の円高期間は最長で5年である。2007年半ばから始まった今回の円高は5年目に入るが、気味が悪くなるくらい長い円高期間が続いている。月足を見ていると、ドル/円相場が横ばい推移であっても、ここから2~3カ月で上値抵抗線を上抜いてきそうな気もする。しかし、これは時を待つしかない。

変動相場制移行後のドル/円相場(月足) 円高期間(黄色のゾーン)


(出所:石原順)

【この記事に対するアンケート回答はこちらから】

トウシルのオススメ記事

はじめよう株主優待
人気記事ランキングTOP
トウシル TOP
このレポートについてご意見・ご感想をお聞かせくださいユーロ/ドルは21日移動平均線の攻防、ドル/円は時を待つ

本コンテンツは情報の提供を目的としており、投資その他の行動を勧誘する目的で、作成したものではありません。銘柄の選択、売買価格等の投資の最終決定は、お客様ご自身でご判断いただきますようお願いいたします。本コンテンツの情報は、弊社が信頼できると判断した情報源から入手したものですが、その情報源の確実性を保証したものではありません。本コンテンツの記載内容に関するご質問・ご照会等には一切お答え致しかねますので予めご了承お願い致します。また、本コンテンツの記載内容は、予告なしに変更することがあります。

記事についてのアンケート回答確認

ユーロ/ドルは21日移動平均線の攻防、ドル/円は時を待つ

今回のレポートはいかがでしたか?
コメント
 
 
 

 

 

メールマガジン

直近1日の記事を配信します

配信:平日毎営業日配信
祝日・GW・夏季/冬季休暇 を除く

公式SNS

タイムリーな情報を
ゲットできます

配信:記事配信時 随時
facebookおよびTwitterには一部配信しない記事もあります

TOP
×
トウシル メールマガジン および SNSについて
メールマガジン 申込み

トウシルメールマガジンではレポートやコンテンツ等、直近1日の記事をお知らせします。
本メールは配信希望のお客様に平日毎日お届けしております。
リアルタイムでの情報取得は、公式SNS(facebook、twitter)もあわせてご利用ください。

  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。
メールマガジン サンプル
メールマガジンサンプル
  • 「メールマガジン 選択/受付」画面から購読を選択できます。
  • 楽天証券のメルマガをすでに配信希望にされている方は、
    初期設定としては購読申し込みとなっている場合があります。
  • メールマガジン購読申し込みには、楽天証券会員登録(口座開設)が必要となります。
Gmailサービスをご利用の方へ
メールマガジンを受信時正しく表示されないことがございます。あらかじめご了承ください。