注目株2:小鵬汽車(09868、XPEV)

 2014年創業の電気自動車メーカーです。広州汽車、フォード、BMW、テスラなど既存の自動車会社、部品会社や、アリババ、テンセント、小米などのネット系企業から人が集まってできたユニークな企業です。2020年8月にニューヨーク市場に上場、2021年7月には香港市場に上場しています。

 何小鵬CEOは2004年、仲間とともにブラウザなどの開発を行うUC優視公司を設立、2014年にそれをアリババ集団に売却。

 しばらくの間、アリババ集団内に残り要職を務めた後、2017年に退職し、ある自動車メーカーに投資するとともに社名を現在の小鵬汽車に変更させ、CEOに就任しています。蔚来集団同様、電気自動車事業に関する大きなコンセプトが先にあって、それに沿ってつくり上げられた企業です。

 肇慶、広州、武漢に自社工場があります。

 2021年の販売台数は、スポーツタイプセダンが大きく貢献、263%増の9万8,155台となりました。2021年12月期業績は259%増収、48億6,310万元の赤字、赤字幅はわずかに縮小しています。

 2021年10月にはファミリータイプセダン、2022年第3四半期には四番目の量産車種となる待望のフラッグシップSUVを投入する予定です。2022年12月期は赤字拡大ながら、102%増収見通しです。まずは生産台数を全力で伸ばすこと、充電施設の建設を加速することなどを経営の重点に置いています。

 これは、完成車メーカーすべてに言えることですが、半導体不足、原材料費の上昇、ゼロコロナ政策による生産への影響などが懸念され株価は調整気味となっています。

 しかし、足元では業界全体で新エネルギー自動車の生産台数は急増しており、化石燃料自動車から新エネルギー自動車への切り替えが大きく進んでいます。長期投資の観点から、新エネルギー自動車は買いのチャンスだと考えます。

小鵬汽車の週足

期間:過去9カ月(2021年7月~2022年4月14日)
出所:楽天証券ウェブサイト

注目株3:理想汽車(02015、LI)

 2015年創業の電気自動車メーカーです。李想CEOは2004年末に創業した自動車関連情報をネットで提供する汽車之家を2013年12月にニューヨーク証券取引所に上場させています。

 同社はテスラのモデルSを意識したとみられるSUV、理想ONEを開発、 2019年12月から納車を開始、2020年7月にニューヨーク証券取引所に上場、2021年8月には香港市場に上場しています。同社は江蘇省常州市にプレス、溶接、塗装、組み立てを行う工場を所有しています。

 2021年12月期業績は186%増収、3億2,146万元の赤字(1億6,980万元の赤字拡大)でした。納車ベースの販売台数は177%増の9万491台で、生産は順調です。2022年12月期業績は99%増収、10億4,001万元の赤字(7億1,856万元の赤字拡大)見通しです。

 2021年11月には買収により、常州工場の規模が拡大しています。現在建設中の北京工場は2023年に稼働予定です。また、2021年12月、重慶市政府と戦略提携を結び、工場建設を計画しています。全力で生産拡大を進めています。

理想汽車の週足

期間:過去9カ月(2021年7月~2022年4月14日)
出所:楽天証券ウェブサイト