賃貸と購入、それぞれのデメリットは?

 次にそれぞれのデメリットについて確認してみましょう。

 賃貸の大きなデメリットは、生涯にわたって家賃を払い続ける必要があること、それなのに資産としては残らないので、購入と比べてしっかりと資産形成をしていく必要があることだと思います。

 持家の場合は、購入時と比べると経年により値下がりしている可能性は高いですが、それでも売却すればまとまった資金になる可能性は高くなります(その意味では立地条件が重要です)。

 一方、購入のデメリットとしては、住宅ローンや固定資産税、(マンションの場合)管理費・修繕積立金など、長期にわたり支出が固定化されてしまうことです。

 そして、一度購入してしまうと、転居するのは容易ではありません。購入して住み始めてみて「あー、やってしまった…」と思っても、すぐに住み替えよう、買い替えようというのは、不可能ではありませんがハードルが高いと思います。

賃貸と購入、向いているのはどんな人?

 これらのメリット、デメリットを踏まえ、賃貸と購入のそれぞれについて向いているのはどんな人でしょうか?

 まず賃貸に向いているのは、転勤が多い人や、ライフスタイルが固まっていない人です。2~3年おきに転勤がある場合などは、せっかく購入してもその家に住むことができなくなってしまいます。

 またシングルから、結婚、子どもの誕生と家族構成が変わっていく場合には、早い段階で購入してしまうと、結果的に買い替え、住み替えが必要になります。よく住宅購入は「人生最大の買い物」といわれますが、それを二度三度と行うのは負担が大きいでしょう。

 一方、購入に向いているのは、賃貸とは逆に、家族構成や勤務地などライフスタイルが固まっている人です。また家にこだわりがあり、自分好みの居住空間を実現したい方も購入が向いています。

 さらに、手元にお金があるとついつい使ってしまうという方は、住宅を購入し住宅ローンを返済していくと、一定の資産形成が進みますので、半ば強制的にでも資産形成していきたいという方は購入が向いているかもしれません。