ラリー・ウィリアムズの2022年予測

 FRBは2017年から2019年にかけて出口(金融正常化)のチャンスがあったのにそれを利用できず、昨年からバランスシートを再び2倍にした。彼らは市場を暴落させない形で、4.5兆ドルのバランスシートを縮小することはできなかった。現在の9兆ドルになろうとしているバランスシートを縮小(アンワインド)するのは容易ではない。

FRBのバランスシートはGDPの42%の水準まで拡大

出所:ゼロヘッジ

 FRBはこの異常な金融政策をどうやって解消することができると考えているのだろうか? 2008年以降、出口に向かうチャンスは何度もあった。だが、いまだに金融緩和は続いている。

 パウエルは議会証言と今回のFOMCで利上げ前倒しのアドバルーンを上げたが、2008年以降、10年以上にわたりずっとできなかったことを今回はどうやってできると思っているのだろうか? 歴史的に見ても、FRBが金融政策の正常化に本格的にかじを切るというのは幻想に過ぎないだろう。

 米著名投資家のラリー・ウィリアムズは来年2022年の相場について、「2022年はインフレがマーケットを襲う年である。高インフレは株式市場を殺す。それは間違いない。そして間違いなくハイパーインフレを始めている。それは2022年にとってどんな意味があるのだろうか…? ベアマーケットのシグナルが発動する可能性は高い」と、『フォーキャスト2022年』(パンローリング)の中で述べている。

  • 主要な経済指標は崩壊し始めている。
  • 住宅着工件数は伸び悩み、クレジットカードの負債は増加している。
  • また政治的にも大混乱に陥っている。

 これらはすべて株価に影響を与える。まだ警告サインは点滅していないが、2022年はベアマーケットのシグナルが発動する可能性は高いだろう。

(ラリー・ウィリアムズ)

 投資家は、米国株で利益が出続けている今はこれらの疑問を気にしないだろう。投資家がこれらの疑問を抱くのは、利益が出続けている今の時期ではなく、ゆがみの影響が明らかになった後である。だが、その時にはもう手遅れかもしれない…。