今週の注意点1:需給的な上値の重さ
繰り返しになりますが、今週の国内株市場は、週末に控えるメジャーSQを意識しながらの相場地合いとなります。
また、国内外の金融市場を揺るがしてきた、新型コロナウイルスの変異株(オミクロン株)についても、引き続きニュースのヘッドラインや感染の拡大状況などに一喜一憂すると思われますが、「感染力は強いものの重症化リスクが低いのではないか」など、まだ不確定要素がありながらも、不安を先取りする材料としての威力は弱まりつつあるような雰囲気も漂っています。
変異株の感染爆発など、状況の著しい悪化がない限り、今週の株式市場は戻りを試すというのが基本的なシナリオになりそうです。
ただし、注意が必要な点も2つあります。
その1つ目は前回のレポートでも紹介した、需給的な上値の重たさです。
■(図4)信用買い残高と日経平均(週足)の動き
上の図4は信用買い残高と日経平均(週足)の推移を表したものです。
信用買い残の元データである取引所の「信用取引現在高」は、前週末時点の状況が翌週の第2営業日(火曜日)の16時を目安に公表されますので、上の図4に示されているのは、先週30日(火)に公表された11月26日週末時点の状況ということになります。
この週の日経平均は994円下げていましたが、信用買い残は26日時点で約3兆7,400億円と、前回(11月19日時点の3兆5,790億円)から増加し、2018年3月2日時点の残高(3兆6,160億円)も超えてきました。
つまり、株価が下落する中で、買い向かう動きが多かったことがうかがえます。
となると、前回と同様に、株価が反発したとしても、戻り待ち売りが出やすく、株価がさらに下落していく場合には、投げ売りが出て、下落を加速させてしまう展開を想定しておく必要があります。
先週末(12月3日時点)の買い残高は今週の7日(火)に発表されますが、図1でも見てきたように、先週の日経平均は2万8,000円割れまで下げた後に下げ渋る動きとなっています。
先週の展開で積み上がった買い残がある程度整理されていることが確認できれば、株価の戻りに弾みがつくかもしれません。メジャーSQを控える週だけに需給要因は要チェックです。