米国への不安は緩和

 米債務上限問題は、簡単に解決しないやっかいな問題ですが、最終的に上限が引き上げられることはほぼ確実と考えられており、最終的には重大な問題とはならないと市場では捉えられています。

 インフレ懸念、債務上限問題、テーパリング不安から、米長期金利が上昇していることが不安材料とはなっていますが、先行き米景気の減速が見込まれていることもあり、すぐに金融が引き締めの方向に進むとは考えられていません。

米長期(10年)金利の動き:2020年1月2日-2021年10月8日

出所:QUICKより作成

 以下3つの要因が重なって、米長期金利が上昇し、米国株にとって不安材料となっています。

(1)天然ガス市況の高騰を受けて、米インフレ長期化が警戒されたこと。
(2)米債務上限問題が長びくことで、米国債の不安が高まったこと。
(3)FRBが11月にテーパリング(金融緩和縮小)開始を示唆していること。