岸田政権への期待がやや低下

 岸田内閣がスタートしました。ただし、岸田政権の目指す方向として「新しい日本型資本主義」を打ち出しているころが、外国人投資家からはややネガティブにとらえられました。

 岸田政権は小泉政権・安倍政権が進めてきた新自由主義からの転換を訴えています。「富める者と富まざる者、持てる者と持たざる者の分断を防ぎ、成長のみ、規制改革・構造改革のみではない経済をめざす」と言っています。

 外国人投資家は、小泉政権と安倍政権を高く評価していたので、そこで進めてきた規制緩和や構造改革に否定的であることはネガティブに聞こえました。

 格差縮小に力点を置く中で、金融課税強化を打ち出したことも、ネガティブにとらえられました。欧米では、資本主義の成長戦略を進める政権リーダーは、その成果を見る指標として株価を重視しています。岸田政権が就任早々に株式投資収益への課税強化に言及したことで、岸田政権は株式市場に対してフレンドリーでないと取られた可能性があります。

 ただ、現時点で岸田政権の政策全容が見えているわけではありません。これから実際にどういう政策を実行していくかで、外国人投資家の見方は変わる可能性があります。ただし、就任直後に出したメッセージからは、株式市場にとってフレンドリーでない首相と受け取られた可能性があります。