信託報酬控除後の運用成績がよかったのは、どちらのファンド?

解答

2:One国内株オープン

 運用成績よりも先に信託報酬の値に目がいってしまった方は要注意です。

 インデックス型の「たわら」のほうが信託報酬は圧倒的に低いですが、年率1.760%のコストをかけて運用した「One国内株オープン」のほうが、最終的に10ポイント以上高いリターンをあげることができました。

信託報酬に目を奪われて、リターンを逃すファンド選びのワナ

 繰り返しになりますが、信託報酬は、基準価額の計算時に投資信託財産から日々支払われています。つまり、毎営業日公表される基準価額にはすでに信託報酬が反映されているため、「騰落率」として示されている数値がそのまま投資家のリターンになります

 最初から信託報酬の水準を条件にしてファンドを絞り込むことは、アクティブ型の醍醐味(だいごみ)である、超過リターンの可能性を放棄することにつながります。

 そもそもインデックス型とアクティブ型を信託報酬率で比べることほど無意味なことはありません。

 アクティブ型の場合、インデックス型のように運用方針が「完全一致」した商品というのは決して多くありません。

 運用方針が異なれば、期待されるリターンも、背負うリスク量も異なるため、コストだけで商品を比較するのには限界があるのです。