国際分散投資に活用できるインド株式連動型ETFを知る

 インドでは、英語ができるビジネスマンや優秀なエンジニアが多く、政治体制は議会制民主主義、経済も資本主義であることも日米欧を中心とする多国籍企業や外国人投資家に安心感があるとされています。

 現職のモディ首相は2014年に就任以降、「モディノミクス」と呼ばれる規制緩和や税制改革を推進。外資系企業の誘致を介して技術移転や資本流入を促進しています。

「メイク・イン・インディア」(国内製造業の活性化、雇用創出、輸出拡大)と呼ばれる政策に加え、「デジタル・インディア」(情報通信網の整備や行政手続きのデジタル化)、「クリーン・インディア」(清潔なトイレの全国的整備など)も推進しています。

 こうした改革は、インドへの直接投資(企業進出)魅力を高めやすいと考えられます。

 コロナ危機に対応しモディ政権は財政出動を積極化。RBI(インドの中央銀行)は金融緩和策を実施しました。とは言え、インドへの証券投資には個別銘柄リスクや比較的高い取引コストの壁があることも否めません。

 そこで具体的な投資ツールとしてインド株式の成長に沿う投資成果を目指す東証上場ETF(1678)をご紹介します(図表4)。本ETFのベンチマークはインドのCNX Nifty 50指数(円換算)です。

 インドのナショナル証券取引所に上場する企業のうち時価総額、流動性、浮動株比率等で選定された主要50銘柄で構成されています。同ETFは売買コストが高い現物株式ではなく、シンガポールで取引されているNifty50指数先物に投資している点が特徴です。

 同ETFの運用純資産は約94億円です(運用:野村アセットマネジメント)。売買単位は100口単位となっており、直近の単価219円(25日時点)で換算すると、1売買単位として2万4千円程度からインド株式市場に分散投資するのと同様の効果があるポートフォリオを保有することが可能です。

 国際分散投資の「コア・サテライト戦略」のサテライト部分の役割を担う手軽な投資ツールの一つとしてご検討いただけると思います。

図表4:インド株式市場に連動を目指す東証上場ETFに注目

*上記は参考情報であり、特定の投資商品を推奨するものではありません。 *CNX Nifty50種指数は、インド証券取引所に上場する大手企業50社で構成される時価総額加重平均指数です。 出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2020年初~2021年8月25日)

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