株で資産形成:景気減速・悪化をどう乗り切るかが鍵

 このコラムで私は、「日本株は割安、日本株に投資することが長期的な資産形成に寄与する」と申し上げています。日経平均の下落が続く今も、コツコツと投資を続けていくことが必要と考えています。ただ、1つ注意しなければならないことがあります。

 株は、短期的に急落・急騰を繰り返すことです。景気が減速・悪化する時には、大きく下がります。日経平均のボラティリティ(1標準偏差で変動する値幅)は20%くらいあるので、日経平均インデックスファンドを買って下げ局面に当たれば20%くらい下げることは、よくあることです。

 全財産を突っ込んで過剰なリスクを取った時、いきなり20%も値下がりしたら大変です。そうならないように、きちんとやらなければならないのが「リスク管理」です。

 今、世界景気は好調ですが、いつか減速・失速することもあります。日本株に長期投資して、資産形成していく間には、そのようなショックを何回か通り抜ける必要があります。積立投資で時間分散して投資していくならば、短期的な株価変動を気にしないで、淡々と積み立てを続ければ良いと思います。

 一定のまとまった金額で日本株投資を行う場合は、株が上がった時に強気になり過ぎず、株が下がった時に弱気になり過ぎず、適切なリスク管理が必要です。短期的な景気予測に過度にベットすることなく、割安な日本株に投資して、長期的にじっくり保有していくことが大切です。

景気循環と日経平均月次推移:1999年1月~2021年7月

出所:色を付けているのは内閣府の判断にもとづく景気後退期。ただし、2018年10月に始まった不況が2021年6月で終わっていると判断したのは楽天証券、紫で囲んでいるのは、景気停滞期。景気後退すれすれまで悪化してから持ち直した局面。景気停滞期の判断は楽天証券。QUICKより作成

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