来年、2019年型の世界景気減速ある?

 2021年4-6月期決算の発表がピークを迎えつつあります。景気敏感・製造業(電機・機械・鉄鋼など)の業績回復が続いています。ただ、景気敏感・製造業では、好調な決算を発表しても株価が上がらないケースが出ています。「今は良いが、そろそろピークアウト」の不安が出ているからです。

 2018年から2019年にかけて、製造業が世界的に悪化。米中貿易戦争が激化し、そのマイナス影響が世界の製造業に及びました。その時に類似した世界景気減速が2022年に起こるかもしれない可能性を織り込みつつあるのが、今の世界株式市場だと思います。

 2019年の世界の状況を振り返ります。日本は自動車など製造業のウエイトが大きいので、世界的な製造業悪化の影響を受けて、2018年10月以降、景気後退期に入りました。

 米国も製造業の景況は大きく悪化しましたが、米国は製造業のウエイトが低いので、米景気は非製造業を中心に拡大が続きました。日米ともに後退期に入るのは、コロナ・ショックの影響を受ける2021年2月からです。ただし、米国の景気後退は短期で終了し、2021年7月には再び景気拡大期に入っています。

米国ISM景況指数推移:2018年1月~2021年6月

出所:米ISM供給公社より作成

日銀短観・大企業製造業・非製造業DIの推移:2018年3月~2021年6月

出所:日本銀行「全国企業短期経済観測調査」より作成