※このレポートは、YouTube動画で視聴いただくこともできます。
著者の窪田真之が解説しています。以下のリンクよりご視聴ください。
「 [動画で解説]日本株で資産形成 次の景気後退はいつか?どう乗り切るか?」
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株で資産形成:景気悪化をどう乗り切るかが鍵
このコラムで私は、「日本株は割安、日本の高配当利回り株に投資することが長期的な資産形成に寄与する」と申し上げています。ただ、1つ注意しなければならないことがあります。
株は、短期的に急落・急騰を繰り返すことです。景気が減速・悪化する時には、大きく下がります。日経平均株価のボラティリティ(1標準偏差で変動する値幅)は20%くらいあるので、日経平均インデックスファンドを買って下げ局面に当たれば、20%くらい下げることは、よくあることです。全財産を突っ込んで過剰なリスクを取った時、いきなり20%も値下がりしたら大変です。そうならないように、きちんとやらなければならないのが「リスク管理」です。
株が大きく下がる局面は、おおざっぱに言って2つあります。1つは、循環的な景気悪化局面です。もう1つは、バブル崩壊です。株が下がり始めた時、どちらに当たるかによって、対処方法が異なります。
循環的な景気悪化なら、少しリスクを落とす(株の保有を減らす)ことを検討しても良いのですが、あまり過度にリスクを落とすべきではありません。キャッシュを持ち過ぎた状況で、次の景気回復を織り込む株高に乗りそこなうと、機会損失がきわめて大きくなるからです。
景気は循環します。いつまでも好景気が続くことはありません。いつか必ず悪化局面が来ます。ただし、いつまでも悪化が続くこともありません。必ず回復局面が来ます。したがって、株式投資では景気拡大局面で過度に楽観的にならず、景気悪化局面で過度に悲観的にならないことが大切です。
そうは言っても、バブル崩壊で株価が下げ始めた時は、まったく話が別です。「三十六計、逃げるにしかず」。益出し、損切りにかかわらず、株は売るべきです。株の保有を大幅に減らして、バブル崩壊が終わるのを待つしかありません。