次の景気減速・失速はいつか?

 今、日本および世界が、景気拡大期にあるのは、ほぼ間違いありません。ただし、注意が必要です。永遠に続く景気拡大はありません。いつか必ず、景気後退期が来ます。それはいつになるでしょう。景気後退の定義を満たさない「景気停滞期」ならば、もっと頻繁にあります。来年(2022年)がそれに当たる可能性もあります。

 景気後退・景気停滞が始まる気配が濃厚になると、株は大きく下がります。景気・金利・株価には、一般的に、以下のような関係があります。すべての景気循環で成り立つわけではありませんが、株式運用を考える上で、頭に置いておく必要があります。

景気サイクルと、金利・株価サイクル

出所:筆者作成

 日本も米国も、コロナ危機から回復し、景気拡大期に入っているのは確実です。日本の景気回復はやや鈍いが、米国は好調です。日米だけでなく、世界中の国々がコロナからの回復期に入っていると考えられます。

 今、日米とも、上の図で黄色の枠で囲んだ「景気拡大の初期から中期」にあると考えられます。日本は景気回復の初期で、米国は拡大中期と考えられます。ただ、今心配されているのは、米景気が「過熱期」に入る可能性です。米景気がこのまま過熱して、来年は反動で失速すると、日本の景気も腰折れになります。そうだとすると、株は景気が良くても下がり始めます。今年の後半がそうならないか、疑心暗鬼となる投資家が増えています。

 こんな時、株式投資はどうしたら良いのでしょうか? 私が考える処方箋を、次のレポート「高配当利回り株で資産形成:次の景気後退はいつか?どう乗り切るか?(その2)」に書きます。