注目の中国株4:国薬控股(01099)

 中国医薬集団の中核企業で中国最大クラスの医薬品、医療機器、保健商品の卸売、小売会社です。部門別売上高(2020年12月期)では医薬品卸売が74.2%、医療機器が19.3%、医薬品小売が5.2%、その他が1.3%です。

 2020年12月期は7.3%増収、14.9%増益となりました。主力の医薬品卸売りは新型コロナ禍の影響で伸び悩んだのですが、逆に小売や医療機器の需要は高まりました。2021年1-3月期は27.4%増収、49.8%増益となりました。新型コロナ禍の反動で業績は急反発しています。

 親会社である中国医薬集団は世界最大の新型コロナワクチンの生産拠点を完成させました。これにより現在は、年産50億回分を超える生産能力を備えています。

 中国をはじめ、アラブ首長国連邦、バーレーン、ボリビア、セーシェル共和国、タイ、トルクメニスタンなどから正式に使用許可を得ています。WHOからは緊急使用許可を得ており、87カ国で緊急使用されています。

 ただし、これは親会社の事業であり、国薬控股の収益とは直接関係ありません。ですが、親会社の収益が上がれば、同社への事業拡大のための投資、あるいは資産注入などが可能になります。間接的な影響を考えれば、同社をワクチン関連銘柄の一つに加えてよいと考えます。

注目の中国株5:開拓薬業(09939)

 新薬の開発を目指す創薬ベンチャー企業です。アンドロゲン受容体に関する医薬品の開発に力を入れており、2020年12月末現在、6つの開発中の新薬が臨床段階に進んでいます。ただし、2020年12月期の売り上げはありません。

 同社に注目する理由は、新型コロナのワクチンではなく、治療薬の開発です。

 7月16日の公告によれば、同社が開発を進める新薬(プロキサルトアミド)がパラグアイから新型コロナの治療薬として緊急使用を許可されました。プロキサルトアミドは新世代の抗アンドロゲンで、新型コロナの治療薬のほか、前立腺がんや乳がんの治療薬候補です。

 新型コロナ治療薬としては、米国、ブラジルなどの南米、EU(欧州連合)、アジア諸国、地域でフェーズⅢを実施しています。

 よい結果を期待したいところです。