米国市場の予想ROEは国際比較で最高水準

 投資対象市場を検討する際は、成長期待やバリュエーションだけでなく「資本効率」も見極めたいところです。長期実績の観点で米国株式のリターンは日本株式よりも優勢に推移してきました。その主要因としてROE(株主資本利益率=自己資本利益率)の高低に着目したいと思います。

 図表2は、株式市場別の予想ROE(MSCI指数ベースの市場予想平均)を比較したものです。米国市場の予想ROEは23.4%と他市場を圧倒しており、このことがバリュエーション指標である予想PBR(株価純資産倍率)を4倍程度に押し上げていると言われます。

 一方、日本市場の予想ROEは5.8%と国際的に最も低位。予想PBRが約1.4倍と低位である主因とされています。

 米国市場のなかでROEが高い業種をみると、IT(情報技術)業種の平均予想ROEは33.2%、消費財サービスが28.3%、生活必需品が28.0%、ヘルスケアが24.0%となっています。株主資本に対する利益率の高さも世界の投資マネー(過剰流動性)を引き付けている米国株式の魅力と言えるでしょう。

<図表2:米国株式の予想ROEは国際比較で最高>

*上記はMSCI指数をベースに予想ROE(株主資本利益率/市場予想平均)を比較したものです。
出所:Bloombergより楽天証券経済研究所作成(2020年12月31日)