9月中間決算の配当金の権利落ち(予想額)は155円

 9月28日まで、日経平均先物(12月限)は、日経平均よりも約155円価値が低いわけです。その理由は、9月中間決算での配当金にあります。

 日経平均(現物)を保有していると、9月決算の配当金の権利落ち日(2020年は9月29日)に、配当金を受け取る権利が確定します。ところが、日経平均先物(12月限)を保有していても、9月配当金を受け取る権利は得られません。

 9月末基準の配当金は、約155円と予想されています。したがって、日経平均先物(12月限)は、日経平均(現物)よりも、155円低い値段が付くのです。

 ところが、9月29日以降は、日経平均と先物(12月限)は、ほぼ同値で売買されることになります。9月28日までに日経平均(現物)を買えば、9月末基準の配当金が得られますが、権利落ち日の9月29日以降に買っても、配当金は得られないからです。先物を持っていても、現物を持っていても、9月末基準の配当が得られないのは、同じです。

 したがって、9月29日から12月10日(先物12月の最終売買日)まで、日経平均先物(12月限)を保有しても、日経平均を保有しても、どちらも9月配当金が得られないという点で、同じになります。したがって、9月29日以降は、両者はほぼ同値で推移することになります。

<参考>日経平均先物(12月限)の理論値の計算方法

 詳しい説明は割愛します。概算値を出す計算式を掲載します。

(日経平均先物12月限理論値)=(日経平均の値)-(12月11日まで日経平均現物を保有することで得られる配当金予想額)+(日経平均現物を購入するのに必要な現金を12月11日まで短期金融市場で運用した時に得られる利息)

 現在、短期金利はほぼゼロなので、金利要因は無視しても大丈夫です。配当落ちは、3月・9月が特に大きいです。6月や12月にもあります。

 東京市場の取引時間中は、日経平均先物が理論値から大きくかい離することはありません。かい離すれば、裁定取引が入り、先物は常に理論値の近くに維持されます。ただし、東京市場の現物取引時間が終了すると(15時以降)、日経平均先物は理論値からかい離して動くようになります。裁定取引が入らないので、大引け後のニュースに反応して、日経平均の理論値から離れて動くわけです。

 今日の説明は、やや分かりにくいかもしれません。途中に掲載した「これだけ覚えてください!2つのポイント」だけ、頭に入れていただければOKです。

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